テレホン法話
~3分間心のティータイム~

【第1162話】「ゾウさんの縁」 2020(令和2)年4月1日~10日

 お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1162話です。

 お釈迦さまの母マーヤ夫人(ぶにん)は、白い象が体の中に入る夢を見て、お釈迦さまを身ごもったと伝えられています。当時は白い象が夢の中に出てくるのは、尊い方が生まれる証と信じられていました。そして、出産のため里帰りをする途中、ルンビニーの花園で、にわかに産気づき、お釈迦さまをお産みになりました。2500年程前の4月8日のことです。

 アジアでも象は神聖な動物で、豊作、成功、幸運の象徴と言われています。大きな体といい、長い鼻といい、何か得も言われぬ力を秘めている気がします。事実、マーヤ夫人から生まれたお釈迦さまは、すぐに「天上天下(てんじょうてんげ)唯我独尊(ゆいがどくそん)」と叫ばれました。「唯だ、我、独りとして、尊し」つまり、この世にあって、誰もがその人の命が一番尊いのだから、自分をいたわるように、他の人も大切にしなさいということでしょう。更に「三界皆苦(さんがいかいく)吾当安此(ごとうあんし)」とも続けられました。「三界は皆、苦しみだが、吾(わたし)が当にこれを安らかにせん」と言って、人々に安らぎと幸せをもたらすために、偉大な生涯を尽くされたお釈迦さまなのです。

 お釈迦さまと象の因縁にあやかるかのように、シャンティ国際ボランティア会では、「あげあげゾウさんお守り」を作りました。カンボジアの小さな村のお母さんたちが、カンボジアシルクを使い、手仕事でひとつひとつ制作したものです。ゾウさんの一番の特徴である長い鼻が上を向いて、運気アップを象徴する姿になっています。それを私が気合を入れて御祈祷して、更なるご利益を念じています。「金運・縁結び・福寿・健康・学業」という5種類のお守りで、赤・白・ピンクなどきれいな彩の可愛らしいものです。1個500円でお授けしております。

 先日、女の子がひとりでお参りに来ました。珍しいことだなと思ったら、ゾウさんをくださいというのです。その小学4年生は、先ず学業成就のお守りを求めました。それから、色のきれいさに惹かれたのか、ピンクのゾウさんを指し、これは何のお守りですかと聞きます。「これは縁結びで、良い人に巡り合えますようにというお守りだよ」と教えました。勿論、今はまだ必要ないかもしれないよ、という思いを込めたつもりです。ところが女の子は「家族も縁ですよね。良い家族でいられますように、私これを持っていたい」と言って、ピンクのゾウさんも、求めました。

 なるほど、人はこの世に生まれて初めて結ぶ縁は、両親をはじめとする家族です。誰でもいつまでも安らかで幸せな家族でありたいと願っています。お釈迦さまもこの世に生まれた時、家族と縁ができました。但し、お釈迦さまが家族と思ったのは、この世の生きとし生けるすべての人のことです。今世界は、新型コロナウイルス感染の脅威に晒されています。世界がひとつの家族という思いで、どなたにも感染しないようにと願い、一人ひとりが慎んだ生活をすべき時でしょう。

 それでは又、4月11日よりお耳にかかりましょう。


あげあげゾウさんお守り

最近の法話

【第1174話】
「藤井マスク」
2020(令和2)年8月1日~10日

news image

リンドウ お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1174話です。 大相撲で横綱になるのは、オリンピックで金メダルを取るより難しいと言われます。将棋でタイトルを獲得するのも、同じように至難なことでしょう。将棋のタイトルは、竜王、名人、叡王(えいおう)、王位、王座、棋王、王将、棋聖の八つがあります。そのうち藤井聡太七段は17歳11カ月の最年少で棋聖のタイトル保持者となりま... [続きを読む]

【第1173話】
「配密」
2020(令和2)年7月21日~31日

news image

住職が語る法話を聴くことができます テマリギク お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1173話です。 誕生日のケーキに歳の数だけローソクを立て、当人が一気に灯りを吹き消してお祝いすることがあります。仏事にもローソクは付き物です。しかし、灯を消すとき、息を吹きかけることは決してしません。息は不浄のものだからです。誕生日は自分の為のローソクだからよしとしても、仏事の場合... [続きを読む]

【第1172話】
「野ざらしの抜け殻」
2020(令和2)年7月11日~20日

news image

住職が語る法話を聴くことができます 泰山木 お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1172話です。 「しがみつく」を漢字で書くと、ライオンの獅子という字の「獅」と「噛みつく」という字で「獅噛みつく」になります。獅子のように強く噛んで離さないという意味がよくわかります。 昨年の夏は猛暑で蝉が元気でした。徳本寺の鐘撞き堂の柱や天井に、何と13匹の蝉の抜け殻が確認出来て驚... [続きを読む]