テレホン法話
~3分間心のティータイム~

【第786話】「始めなければ」 2009(平成21)年10月21日-31日

 お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第786話です。
kappei.mune.JPG 
 何事も始めなければ始まりません。今から20年前の平成2年3月3日に曹洞宗わたり郡内寺院13カ寺が「当世寺子屋講座」なるものを立ち上げました。年1回の開催で、今年10月10日にめでたく20回目を開催できました。
 お寺といえば死んだ人に関わるという暗いイメージがあります。しかし、本来は生きている人が、仏さまの教えに目覚め、如何に心豊かに過ごすかを学ぶところです。そこで、お互いの心の耕しを目指して始められたのが「当世寺子屋講座」です。なるほど、「始める」という字は、「女偏」に「台」と書きます。「台」は上の部分のカタカナの「ム」が「鋤(すき)」の形を表し、人間が鋤を手に持ち、口でものをいい、行為をおこすことだそうです。
 第1回目の講師は、「始める」に打って付けの伊奈かっぺいさんでした。その口は止まることを知りません。山元町中央公民館大ホールに約1000名の人が集まり、立ち見が出るほどの大盛況でした。「お寺さんもこんなことをするのですか」という声に背中を押されて、以後毎年様々な著名人をお招きし、今年に至りました。始まりの勢いが20回目に繋がったということで、その節目にまた伊奈かっぺいさんにご登場いただきました。更にもう一人、これまで同じく寺子屋講座にご縁の深かったさとう宗幸さんにも駆けつけていただきました。
 おふたり揃ってのステージは、感動的でした。しゃべりの伊奈かっぺいさん、歌のさとう宗幸さんというイメージが逆転するときがあります。散々笑わせた後で歌ったかっぺいさんの声にはとても雰囲気があり、印象的でした。宗さんが歌う前に、歌にまつわる話を淡々と紹介すると、涙ながらに聴いている人もいました。
 2時間程があっという間に過ぎました。最後にふたりで、かっぺいさんの作った「人生を語るにはまだ白い」という歌を歌い、記念すべき20回目の当世寺子屋講座を飾って下さいました。この歌は100歳まで生きいる気概で、99歳白寿にしてやっと人生を語ろうという内容です。10年20年ではまだ何も語れません。それより今は、1回目であれ、20回目であれ、始めなければ始まらないと思うべきなのでしょう。私たちも何年生きようが朝目覚めなければ1日が始まりません。そして毎日新しい1日です。過ぎたことを語る間に、新しい1日の始まりにドキドキしたらよかっぺいということを、人生の旨むねとしたいものです。
それでは又、11月1日よりお耳にかかりましょう。

最近の法話

【1307話】
「揺らがず大遠忌」
2024(令和6)年4月11日~20日

お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1307話です。 たとえばですが、「正月の元旦に地震の避難訓練をします」と言われて、参加しますか?正月早々とんでもないと、誰でも思います。しかし無常なる自然は、正月とか人間の都合に忖度しません。能登半島では元旦にとんでもない地震が起きたのです。 実は能登半島は曹洞宗にとっては聖地です。曹洞宗には本山が2つあります。福井県の永平寺... [続きを読む]

【1306話】
「シッダールタ」
2024(令和6)年4月1日~10日

住職が語る法話を聴くことができます お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1306話です。 「文殊丸」「行生」という2人の名前で、どなたかわかりますか。ヒントはどちらも曹洞宗に関わる方です。文殊丸は大本山永平寺を開かれた道元禅師、行生は大本山總持寺を開かれた瑩山禅師の幼名です。昔は幼い時に仮に名付ける名前や元服以前の名前を持つことがあったようです。 さて、4月8日は... [続きを読む]

【1305話】
「雪の行脚」
2024(令和6)年3月21日~31日

住職が語る法話を聴くことができます お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1305話です。 わが山元町は「東北の湘南」などと呼ばれることがあります。宮城県の最南端で太平洋に面しています。温暖で大きな台風もほとんどありません。積雪は年数回程度で、いちごやりんごが名産です。しかし、町の東側約12キロはすべて沿岸部です。それが災いし、東日本大震災の大津波は町の40%を襲い、... [続きを読む]