テレホン法話
~3分間心のティータイム~

【第936話】「除夜の鐘」 2013(平成25)年12月21日-31日

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 お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第936話です。
 「9」という数字を、日本人は好まないかもしれません。「苦しみ」の「苦」を連想するからでしょう。しかし、1から9までの整数の最後の数であり、「久しい」の「久」に通じます。また、数が多いことやきわめる、完成する数とも言われます。中国では昔から「9」は最高の尊い数「聖数」として崇めました。古代中国では、皇帝を九天、皇居を九重と呼びました。
 その9の倍数に108があります。ご存じのように、大晦日の除夜の鐘は、108回撞きます。私たちが持つ108の煩悩を悔い改めて、新たな心で新年を迎えるためと言われています。人間が生きていく上で、色々な悩みや煩いが伴うものです。それを一つ一つ分析していくと、108になるという解釈もあります。実際はそのような数で限られるものではないでしょう。煩悩無量と言ってもいいほどです。9の12倍である108は数えきれないほど多くのという捉え方が自然かもしれません。
 さて、除夜とは文字通り「夜を除く」ことですが、夜とは「心の闇」であり、それを一つ一つ取り除くことでもあるでしょう。闇は苦しみの象徴です。それらのほとんどは、自分の心の物差しで判断して現れた結果です。その物差しとは、自分中心の「俺が」という尺度です。その尺度に合わないものが苦しみの原因となります。思い通りにならなかった苦しみより、何かのおかげでよかったことを数えることも、除夜につながるはずです。
 毎日の天候だって、自分の都合で一喜一憂しています。「借りた傘も、雨があがれば邪魔になる」といいます。傘を借りたとき思った「おかげさま」という気持ちは、心に沁みこまないうちに、乾いてしまうかのようです。今年の除夜の鐘は、忘れかけた「おかげさま」の一つ一つを思い起こしながら耳を澄ますのもいいでしょう。東日本大震災から3度目の除夜であり、新年を迎えます。どれだけの「おかげさま」があってここまでこられたかに、想いを馳せることも大事です。来るべき年は、そのおかげさまに報いられるように復興が進むことを願いましょう。
 「鐘は一里鳴って 二里響き 三里わたる その響いてわたる間に祈るのである」と言ったのは、永六輔さんです。梵鐘のいいところは、単に音が鳴るというのではなく、響き渡るという点です。どこまでも祈りが届くような気がします。除夜の鐘を撞きながら、或いは聴きながら、復興の一日も早からんことを祈りましょう。震災という苦(9)しみを超えて、復興への及(9)第点を達することができますようにと・・・。
 ここでお知らせ致します。今年の大晦日のNHKテレビ「ゆく年くる年」の中で、徳本寺の除夜の鐘も中継される予定です。除夜の鐘を撞きに是非ご来山下さい。遠くの方はテレビでお聴き下さい。
 それでは又、来年1月1日よりお耳にかかりましょう。

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