テレホン法話
~3分間心のティータイム~
【第878話】「僧職男子」 2012(平成24)年5月11日-20日
住職が語る法話を聴くことができます
お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第878話です。
いつ頃からでしょうか、肉食動物・草食動物をもじって、肉食系の男子或いは女子とか、草食系の男子・女子などという言い方をするようになったのは。因みに草食系は、肉食系に比べ、やさしいとかひ弱だという感じなのでしょうか。そしたら最近はもう一つの「ソウショク男子」なる言葉がもてはやされています。僧侶という職にある「僧職男子」だそうです。
花の都・銀座のとあるギャラリーで「僧職男子に癒されナイト」という催しが、月1回のペースで開かれています。ギャラリーのオーナーが震災の義援金集めも兼ねて企画したといいます。車座になり、料理やお酒を前にして、お坊さんの話をきいたり、悩みを聞いてもらったりするというもので、結構若い女性に人気だそうです。震災後の日本を覆う閉塞感や不安を軽くしたいという思いがあるようです。社会不安が宗教の需要を高めることは過去の歴史が証明しています。
この度の大震災で、あらゆる価値観が揺らいだり、無くなったりしています。あれほど堅牢な建物もいともたやすく、流されたり壊されたりという現実を見せつけられました。故郷そのものが消されたも同然のところもあります。目の前で愛しい人が何人も亡くなっています。何にすがればいいのか、何を信じたらいいのか。まさに拠りどころのない日々を送っている観があります。そんな時、ふと気がつけば、日本には仏教というものがあったじゃないか、と思った人もいたことでしょう。
お釈迦さまの教えである仏教は、インドから中国に渡り、朝鮮半島を経て、日本に伝えらえたのは、今から約1500年前のことです。脈々として受け継がれてきた伝統、揺るぎない価値観は、今こそ人々の拠りどころとならなくてはならないはずです。お釈迦さまは諸行無常という不変の真理をお示しになりました。その内容を日本では「いろは歌」で言い表しています。
「色は匂へど散りぬるを わが世誰(たれ)ぞ常ならむ 有為(うゐ)の奥山けふ越えて 浅き夢見じ酔(ゑ)ひもせず」。鮮やかな色の花もやがて散るように、この世のもので変わらぬものはない。有為転変の苦悩の山を今日越えれば、はかない夢など見て酔しれることもない。まさにその通りなのですが、普段はそのことに気づきません。我がこととして受け入れられないでいるのが普通です。
大震災は諸行の無常なることを、これでもかというほど判らせてくれました。だから、一日一日を無駄にすることなく、今ある命を大切に生きていこう。僧職男子たる坊さんとふれ合って、そう目覚める人が一人でも多く増殖するようでありたいものです。
ここでご報告致します。4月のカンボジア・エコー募金は、216回×3円で648円でした。ありがとうございました。
それでは又、5月21日よりお耳にかかりましょう。
最近の法話
【1324話】
「少年の心
達磨の心」
2024(令和6)年10月1日~10日
お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1324話です。 心理学者の児玉光雄は、大リーグの大谷選手を「少年の心を持つスーパーアスリート」と表現しています。少年時代から野球を楽しむ心を忘れず、自発的に物事に取り込める姿勢が、想像を超えた活躍に繋がっているというのです。 大谷選手は50-50つまり、50本塁打50盗塁という夢のような記録を、軽々と超えてしまいました。アメリ... [続きを読む]
【1323話】
「土俵に彼岸を見た」
2024(令和6)年9月21日~30日
住職が語る法話を聴くことができます お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1323話です。 大相撲秋場所6日目結びの一番。大関豊昇龍が平幕王鵬にすくい投げで敗れました。余程悔しかったのでしょう。土俵を拳(こぶし)で突き、きちんと礼をすることなく、花道に向かったところ、審判長に呼び止められ、再び土俵に上がります。そこでも礼が合わず再びやり直しをさせられました。洒落ではあ... [続きを読む]
【1322話】
「醍醐味は元気でゆっくり」
2024(令和6)年9月11日~20日
住職が語る法話を聴くことができます お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1322話です。 牛乳の精製過程の5つの味のうち、最後に出てくる最上の味を醍醐味と言います。仏教ではそれを最高の境地の涅槃にたとえます。そして醍醐の原語は「サルピル・マンダ」で、あのカルピスの名称の元であると言われます。そのカルピスが好物で、116歳の今も元気で世界最高齢に認定されたのは、兵庫県... [続きを読む]
テレホン法話
~3分間心のティータイム~
- 2024年
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2023年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2022年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2021年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2020年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2019年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2018年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2017年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2016年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2015年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2014年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2013年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2012年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2011年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2010年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2009年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月
- 8月
- 7月
- 6月
- 5月
- 4月
- 3月
- 2月
- 1月
- 2008年
- 12月
- 11月
- 10月
- 9月