テレホン法話
~3分間心のティータイム~

【第1061話】「縁はエンドレス」 2017(平成29)年6月11日-20日

住職が語る法話を聴くことができます

1061.jpg お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1061話です。
 縁とは人と人を結ぶ力や物事の関係やつながりを意味します。「親子の縁」とか「学問には縁がない」という言い方があります。しかし「縁談」という時の「縁」は、ほぼ男女の結婚のことで、他の縁は考えにくいでしょう。それほど結婚に至る巡りあわせに、人は特別な想いを寄せるのかもしれません。
 先日あるお寺の副住職さんが素晴らしい巡り合いがあって、縁談が整い結婚式を挙げました。そのお寺の本堂で行う仏前結婚式です。私はその式師を依頼され勤めて参りました。浄められ荘厳が施された本堂で、お釈迦さまや歴代の祖師方そしてご両家のご先祖さまに、おふたりの結婚の儀を奉告し、諸々の仏さまに見守られて式は進んで行きます。
 その中で「洒水灌頂(しゃすいかんちょう)」という式があります。お釈迦さまから綿々と受け継がれてきたみ仏のいのちと教えを、式師は自分の身体から取り出すが如くの作法で、頭から洒水器に移します。すると洒水器の水は単なる水ではなく、法性水(ほっしょうすい)といわれるみ仏のいのちの象徴になります。その清らかなお水を新郎新婦の頭上にそそぎます。この式は古くインドにおいて王さまの即位の時に行われた故事になぞらえたものです。王座に就いたことの証明でもあります。
 結婚式においては、新郎新婦が身と心を浄め、仏なる夫として仏なる妻としてその座に就いたことを、お釈迦さまに代わって式師が証明したことになります。仏前結婚式は一般的な男女の結びつきにとどまらず、おふたりにお互いを仏として、敬い思いやり慈しんでいきますと自ら目覚めていただくことを促すものです。
 私は式師の言葉として次のように申し上げました。「曹洞宗を開かれた道元禅師は『正法眼蔵 供養諸仏』の巻で、『仏さまを供養する功徳により仏になるのである。これまでに一仏も供養申し上げたことのない人々が、どうして仏になることができましょうか』とお示しです。おふたりが、日々仏前で手を合わせることは勿論、お互いを仏として拝みあう生活をすること。それが、仏としての自覚を深め、円満な家庭につながります。とは言っても、夫婦喧嘩になることもあるかもしれません。犬も食わぬ喧嘩は、誰も止めないでしょうから、やるしかありません。但し合掌してから始めましょう、お互い仏さまなのですから。たぶん戦意喪失となるはずです。ある子どもが言いました。『けんかは仲直りできるから好きです』喧嘩をしてもしなくても、仲よく和やかな家庭を築き、仏の眼差しで檀家さんに接し、お寺の発展にも力を合わせて下さい」
 この度の素晴らしご縁が、エンドレスに続いていくことを願った仏前結婚式でした。
 ここでお知らせ致します。5月のカンボジア・エコー募金は、161回×3円で483円でした。ありがとうございました。
 それでは又、6月21日よりお耳にかかりましょう

最近の法話

【第1130話】
「不便な人間」
2019(令和元)年5月11日~20日

news image

お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1130話です。 「休めない 人が支える 10連休」と新聞の川柳欄にありました。日本のカレンダ―史上初めてかもしれない日本全国10連休といっても、それを丸々享受できた人は、どれだけいたのでしょう。休日を休日足らしめるためには、休む人以上に働く人がいなければ成り立ちません。 10連休どころではない年中無休で24時間営業している... [続きを読む]

【第1129話】
「令和に因み」
2019(令和元)年5月1日~10日

news image

住職が語る法話を聴くことができます お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1129話です。 月を望むと書いて「望月」、満月のことです。そして陰暦の15日を望日(ぼうじつ)といいます。因みに1日は朔日で、ひと月が終わって暦の最初に戻った日を意味します。お寺では毎月朔望(さくもう)つまり1日と15日の朝には、祝祷諷経(しゅくとうふぎん)という特別なお勤めがあります。新... [続きを読む]

【第1128話】
「我々の貴婦人」
2019(平成31)年4月21日~30日

news image

住職が語る法話を聴くことができます お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1128話です。 徳本寺は江戸時代に、2度火災に遭って本堂を焼失しています。今から334年前の貞享2年11月とそれから91年後の安永5年3月です。当時は現在地よりも2キロほど西にありました。2度目の火災の75年後に、現在地に移り、本堂が再建されました。寺院が火災に遭った話はよく聞きます。一瞬... [続きを読む]