テレホン法話
~3分間心のティータイム~

【第863話】「まさかの友」 2011(平成23)年12月11日-20日

20111211-1.JPG お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第863話です。
 カンボジアを始めて訪れたのは、19年前の1992年2月のことでした。まだカンボジア難民がタイの難民キャンプで何万人も生活している頃です。これから本格的に難民キャンプから本国カンボジアに帰還するという時期でした。首都プノンペンは戦争の傷跡が深く残り、活気はあるものの、埃っぽい印象でした。ゴミの山で裸の子どもと犬が戯れている光景を見て、生命力のたくましさにある種の感動を覚えたものでした。
 それはSVAシャンティ国際ボランティア会のプノンペン事務所が開設されて間もない頃です。そして今年開設20周年を迎えるにあたり、11月25日に記念式典を開催するとの案内をいただき出席してきました。私にとっては、ちょうど10度目のカンボジア訪問となりました。毎回目に見えて街の様子が変わって、その発展ぶりに驚きます。しかしSVAなどのボランティア団体を必要とする困難な状況が、まだまだあることも事実です。
 そんな中、カンボジアでのSVAの活動は高い評価をいただいています。それを裏付けるかのように、式典には160人もの参加者で溢れました。日本のカンボジア駐在大使やカンボジアの教育省や宗教省の大臣など、錚々たる方々が祝辞を述べられました。SVAは難民キャンプ時代から、一貫してカンボジアの教育支援を継続してきました。学校建設・絵本の印刷配布など、子どもたちの笑顔を見ることを最大の喜びとして活動してきました。ないない尽くしのカンボジアに、日本のみなさんの支援の心を届けてきたのです。
 式典の2日後、私は3年前に母の追善供養として贈呈した母の名前の付いた小学校を再び訪れる機会をいただきました。ドップ・トノット・シズエ小学校では、その日がたまたま日曜日であったにもかかわらず、全校生徒が出迎えてくれました。毎朝7時に国旗を掲揚した後、子どもたちが交代で教室を掃除しているということで、校舎はきれいに保たれていました。ニョイン・シアラー校長先生は歓迎の挨拶の中で、東日本大震災のことに触れて下さいました。
20111211-3.JPG
 「この度の大震災で、3年前に贈呈式にお出でいただいた早坂さんはじめ、みなさんの安否が確認できず、とても心配しておりました。無事で安心しました。私たちの村でも、僅かですがSVAを通じて、日本にお見舞いを贈りました。どうぞ困難を乗り越えて下さい」。そんな有り難い言葉をいただきました。3年前までは小学校すらなかったこの村の人々も、日本のことを思って下さっています。これまでSVAが困難に向かいつつも結んで来た縁がさらに太くなっているかのようでした。カンボジアの高僧マハー・コーサナンダ師の言葉に「まさかの友が真の友」というのがあります。まさかの大震災ではありましたが、まさかと思えるほどたくさんの真の友との出会いをもたらしてくれました。
 
 ここでご報告致します。11月のカンボジア・エコー募金は、209回×3円で627円でした。ありがとうございました。
 それでは又、12月21日よりお耳にかかりましょう。

最近の法話

【第1186話】
「出山釈迦図」
2020(令和2)年12月1日~10日

news image

お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1186話です。 12月8日はお釈迦さまがお悟りを開かれた日です。仏道が成就したということで成道会と言います。お釈迦さまは菩提樹の下で坐禅三昧になられてから8日目の朝、明けの明星をご覧になり、忽然として悟られました。 カピラ城の王子として生まれたお釈迦さまですが、幼少の頃から世の無常を儚んでおられました。29歳の時お城を飛び出し... [続きを読む]

【第1185話】
「雲の上の人」
2020(令和2)年11月21日~30日

news image

住職が語る法話を聴くことができます 板橋禅師遺意の「京焼一輪生け」(竹に蝸牛の絵は禅師御染筆) お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1185話です。 本山では住職に相当する方を、禅師と言います。大本山總持寺には禅師が全国の僧侶や檀信徒と親しく接する紫雲台(しうんたい)という建物があります。そして紫雲台は禅師の尊称にもなっていて、紫雲台猊下とお呼びします。紫雲とは紫の... [続きを読む]

【第1184話】
「お召し物」
2020(令和2)年11月11日~20日

news image

住職が語る法話を聴くことができます お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1184話です。 日本国の天皇なのに、公の場で着物を着ることはありません。一説には平安装束と違って、いわゆるの着物は、武家に由来しているので、天皇からすれば家来が着るようなものを着るわけにはいかないとか。一方皇后は外国の要人を招いた席や、外国で着物を着ることがあります。和服姿は日本文化をアピール... [続きを読む]