テレホン法話
~3分間心のティータイム~

【第1006話】「偉心電信」 2015(平成27)年12月1日-10日

住職が語る法話を聴くことができます

1006.JPG
 お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1006話です。
 キリスト教徒であってもなくても、12月になるとキリストの誕生を祝うクリスマスで賑わいます。仏教においても、12月は大事な月なのですが、一般的には勿論、仏教徒にもあまり関心を示されていないようです。12月8日はお釈迦さまがお悟りを開かれた日です。謂わば仏教が誕生した日とも言えます。
 菩提樹の下で坐禅三昧の行を続けておられたお釈迦さまは、12月8日の明けの明星をご覧になり、忽然として悟られました。「道が成就した」という意味から「成道(じょうどう)」とも言われます。とらわれている心、かたよっている心、こだわっている心から、完全に解き放たれたことを現しています。
 では、お釈迦さまが最初にお悟り伝えた方はどなただったのでしょう。それは摩訶迦葉尊者(まかかしょうそんじゃ)です。お釈迦さまが、霊鷲山(りょうじゅせん)で弟子や信者さんの前で説法をなさっていた時のことです。お釈迦さまは一本の花を拈(ひね)って、何も話そうとしません。誰もがポカンとしていました。ただ一人、摩訶迦葉尊者だけが、お釈迦さまの意を悟って、にっこりと微笑まれました。それを見て、お釈迦さまも同じく微笑み、「口で説くことのできない真実の教えの全てを摩訶迦葉尊者に伝授しよう」と、説かれたのです。
 これは「拈華微笑(ねんげみしょう)」という故事です。経典や言葉にとらわれることなく、言葉では表しきれない真実に想いを致すということです。仏法を餅にたとえれば、「絵に描いた餅」をいくら眺めても、その味は分かりません。実際に食べて味がわかります。更には同じ餅を食べて、師匠と弟子で味わいが違っては、餅本来の味が伝わりません。つまり師匠と弟子の力量が同じくなったとき、すべて「伝わり」、それは「悟った」状態とも言えるでしょう。心と心がぴったりと通じ合う「以心伝心」ということでもあります。
 お釈迦さまの第一番目の弟子となられた摩訶迦葉尊者から、2500年の時を超えて、連綿と仏法が伝えられてきました。仏法伝授の起点となったのが「拈華微笑」といえます。そして、徳本寺の本尊さまは、この「拈華微笑」のお釈迦さまなのです。普通、坐禅をしているお姿が多い中で、花を一輪拈じている「拈華微笑」のお釈迦さまは少し珍しいかもしれません。
 その有り難いお釈迦さまを本尊とする徳本寺から、みなさまにお伝えしているこのテレホン法話は、お釈迦さまの偉大なお心「偉心」を、電話という電信の力で伝える「偉心電信」と思っていただけたら幸いです。商業宣伝にとらわれず、プレゼントにかたよらず、ケーキにこだわらず、静かにお釈迦さまのお心を電話で感得して下さい。
 ここでお知らせ致します。テレホン法話の千話を記念して、テレホン法話集『千話一話―3.11その先へ』(定価千円)が発売されました。書店もしくは徳本寺でお求めください。徳本寺にはこちらからお申込みください。
クリスマスのサプライズプレゼントに如何ですか。
 それでは又、12月11日よりお耳にかかりましょう。

最近の法話

【第1201話】
「皆勤賞」
2021(令和3)年5月1日~10日

news image

お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1201話です。 私の中学高校時代には、無遅刻無欠席者には皆勤賞、遅刻はしたが無欠席者には精勤賞というのがありました。私は6年間無遅刻無欠席で皆勤賞になり、記念に18金のネクタイピンをいただきました。卒業年度の1968という数字も刻印されています。 こんな手前味噌の話をしたのは、4月3日の河北新報に掲載された仙台市の木村大志さん... [続きを読む]

【第1200話】
「島田さん」
2021(令和3)年4月21日~30日

news image

住職が語る法話を聴くことができます お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1200話です。 「新聞でお名前見てると看護士が95歳の心を癒やす」島田啓三郎。これは2月28日の河北新報の歌壇に載った歌です。島田さんは私のもう一つの住職地徳泉寺の檀家さんで、総代を勤めいただいたこともあります。しかし、去る2月25日に数え年97歳で旅立たれました。その3日後の新聞掲載だったの... [続きを読む]

【第1199話】
「サクラサク」
2021(令和3)年4月11日~20日

news image

住職が語る法話を聴くことができます お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1199話です。 東日本大震災の大津波で何もかもが流され、もはや元の姿に戻ることはできないと諦めの気持ちでした。ある朝、鶯の声が耳に入ってきて、我に返ったのです。こんな時にも自然は変わらず営み続けている。それから季節の移ろいをメモするようになりました。季節を感じることで、悲惨な現状に流されまいと... [続きを読む]