テレホン法話
~3分間心のティータイム~

【第938話】「2分20秒」 2014(平成26)年1月11日-20日

住職が語る法話を聴くことができます

938.jpg
 お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第938話です。
 年末年始にかけて、テレビ三昧だった人でも、画面を見ているだけで、それを映すカメラまで見ることはできません。カメラマンの姿もわかりません。その他、照明や音響に携わる方、台本を書く方、番組すべてを統括する監督など、画面には現れませんが、実に多くの方の働きによって、一つの番組が放送されています。
 大晦日恒例のNHKテレビ「ゆく年くる年」の中で、徳本寺からの中継も放送されました。除夜の鐘が響く中、ライトアップされた本堂が映し出されました。そして一心本尊さまにお参りする人々の姿がありました。一心本尊とは、徳本寺の末寺である徳泉寺の本尊さまです。徳泉寺は東日本大震災の津波で本堂等がすべて流されましたが、本尊さまだけが奇跡的に発見されました。どんな災難に遭っても、人々の支えになろうとする一心で踏み止まったものと信じて、「一心本尊」と名付けられ、徳本寺に仮安置されています。
 一心本尊の徳泉寺を復興するために、現在「はがき一文字写経」を展開していますが、全国から寄せられた何百枚ものはがきも画面いっぱいに映し出されました。そしてこの山元町の名産であるイチゴが一心本尊さまに供えられていた映像も印象的でした。イチゴの見事な赤い色は、復興のシンボルと映ったのではないでしょうか。
 番組は、全国13ヵ所の年越しと年明けの風景をリレーで紹介する30分間の生放送です。1ヵ所の放送時間はわずかです。しかし、そのわずかな時間のための準備は、半端ではありませんでした。最初に徳本寺からの中継の打診があったのは、2ヶ月ほど前でしょうか。それから10回近く打ち合わせを重ねました。本格的な現場の設営に入ったのは3日前からです。
 本堂・境内をライトアップするために、照明用の高い櫓が組まれました。不測の事態に備えて、予備の中継アンテナも小高いところに設置されました。中継車や機材を積んだトラックは、ずっと止めっぱなしですので、夜間は警備員がついています。物々しいと思えるほどの準備態勢です。本番の画面は主に3ヵ所を映すのですが、カメラは1ヵ所に2台も3台も設置されます。総勢5〜60人ものスタッフが準備段階からチームを組んで動いていました。カメラ・照明のテストをはじめ、入念なリハーサルが繰り返されます。全国をリレーする放送ですので、1秒のミスも許されないのです。こうして映し出された徳本寺からの中継は、2分20秒。今回の各地の中継の中では、放送時間は長い方だったそうです。
 いくらテレビ三昧になっても、見ることができるのは、画面という限られたものだけです。その画面の1分1秒にかける裏方の働きは計り知れないものがあります。それを思うと、私たちの今日という人生の画面を映し出すまでに、どれほどの裏方のおかげがあったのでしょう。1分1秒を疎かにせずに、この一年を過ごしましょう。
 ここでご報告致します。12月のカンボジア・エコー募金は、128回×3円で384円でした。ありがとうございました。
 それでは又、1月21日よりお耳にかかりましょう。

最近の法話

【第1201話】
「皆勤賞」
2021(令和3)年5月1日~10日

news image

お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1201話です。 私の中学高校時代には、無遅刻無欠席者には皆勤賞、遅刻はしたが無欠席者には精勤賞というのがありました。私は6年間無遅刻無欠席で皆勤賞になり、記念に18金のネクタイピンをいただきました。卒業年度の1968という数字も刻印されています。 こんな手前味噌の話をしたのは、4月3日の河北新報に掲載された仙台市の木村大志さん... [続きを読む]

【第1200話】
「島田さん」
2021(令和3)年4月21日~30日

news image

住職が語る法話を聴くことができます お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1200話です。 「新聞でお名前見てると看護士が95歳の心を癒やす」島田啓三郎。これは2月28日の河北新報の歌壇に載った歌です。島田さんは私のもう一つの住職地徳泉寺の檀家さんで、総代を勤めいただいたこともあります。しかし、去る2月25日に数え年97歳で旅立たれました。その3日後の新聞掲載だったの... [続きを読む]

【第1199話】
「サクラサク」
2021(令和3)年4月11日~20日

news image

住職が語る法話を聴くことができます お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1199話です。 東日本大震災の大津波で何もかもが流され、もはや元の姿に戻ることはできないと諦めの気持ちでした。ある朝、鶯の声が耳に入ってきて、我に返ったのです。こんな時にも自然は変わらず営み続けている。それから季節の移ろいをメモするようになりました。季節を感じることで、悲惨な現状に流されまいと... [続きを読む]