テレホン法話
~3分間心のティータイム~

【第1009話】「着飾る」 2016(平成28)年1月1日-10日

1009_20.JPG お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1009話です。
 あけましておめでとうございます。
 申年にあたり、「猿も木から落ちないように」と、心を引き締めて一年を始めた方も多いことでしょう。しかし、その猿とは、その道に優れている達人を指すのです。その意味では、「猿も木から落ちるんだ」と言われるような猿になるぞと、決意することも大事かもしれません。
 猿に因んだもうひとつの有名な諺に、「見猿聞か猿言わ猿」というのがあります。ご存じのように、他人の欠点や、自分に都合の悪いものなどは、「見ない、聞かない、言わない」ということです。サドという人の言葉に「我々が幸福だと感じるのは、他人の不幸を目にしたときだ」というのがあります。ことほど左様に、他人の過ちや不幸には野次馬根性が働くものです。好い噂は広がりにくいですが、悪い噂はあっという間に拡散します。特に現代のインターネットの社会では、瞬時に全世界を駆け巡ることも覚悟しておかなければなりません。
 私は坐禅の指導をするときに、その心の持ちようをよくこう説明します。「相手にしない、邪魔にもしない」。坐禅をしていると、無心になりなさいと言われるものの、そう簡単に無の境地には至りません。むしろ次から次へと妄想が膨らんできます。鳥の声が聞こえれば、何という鳥だろうと気になります。仕事のことが思い浮かんで、あれもしなければこれもしなければと、心移りしていきます。「相手にしない、邪魔にもしない」というのは、完全に無に成りきってはいないかもしれませんが、聞こえたら聞こえたまま、思い浮かんだら浮かんだまま、ほったらかして、それ以上は追いかけないということです。
 自分に今一番何が必要であるかを見極めることができる達人になることを、今年の目標に掲げたいものです。自分でしなければならないことをできている時が一番幸せでしょう。坐禅の時は坐禅に成りきる。仕事の時は仕事に成りきる。余計なことを排除したシンプルさの中に、喜びが感じられます。少なくとも、他人の悪口など「聞かざる」です。そして、心に錦を「着飾る」人になりましょう。その錦とは、当然仏さまの教えです。今年もこのテレホン法話が、あなたの錦を織りなす一本の糸になれたら幸いです。
 ここでお知らせ致します。テレホン法話の千話を記念して、テレホン法話集『千話一話―3.11その先へ』(定価千円)が発売されました。千人の人が描かれた錦絵のような表紙が評判です。書店もしくは徳本寺でお求めください。徳本寺には こちらからお申込み ください。お年玉に如何ですか。
 それでは又、1月11日よりお耳にかかりましょう。

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