テレホン法話
~3分間心のティータイム~

【第775話】「ミスター... 2009(平成21)年7月1日-10日

 お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第775話です。
 「ロックンロールの帝王」と呼ばれたエルビス・プレスリーのある年の年収は、何と52億円でした。しかもこれは彼が死んでから28年も経った2005年のときの年収なのです。アメリカには他界した有名人の長者番付というのがあって、プレスリーはこの年まで5年連続でトップを維持しました。亡くなってからもその人気は根強く、CDなどの売上が好調だからなのです。死んでもその輝きを失わないのが、本物のスターなのでしょうか。
 さて、プレスリーと並び称され「ポップの帝王」と呼ばれた歌手のマイケル・ジャクソンが、6月25日午後2時半ごろ、ロサンゼルスの病院で急死しました。まだ50歳という若さです。死因は特定されていませんが、何かの原因で心臓に負担がかかった心臓発作という見方があります。4人の兄と結成した「ジャクソン・ファイブ」でデビューしたのは、11歳の時です。絶頂期の80年代には、アルバム「スリラー」が全世界で推定1億枚を売り上げ、レコード史上のあらゆる記録を塗り替えたとされています。
 天性の歌唱力と超人的なダンスの才能は誰しも認めるところですが、華やかな音楽活動の半面、私生活での乱れがあったようです。莫大な資産を手に入れながら、多額の負債を残さなければならなかった浪費癖。少年への性的虐待、度重なる整形や奇行などのスキャンダルも取り沙汰されていました。晩年の音楽活動は決して好調とは言えなかったかもしれません。
 実は、欧米の有名なミュージシャンは意外と短命だという調査結果があります。スターの平均死亡年齢はアメリカで42歳、ヨーロッパで35歳です。死因の3割近くが、酒や麻薬類の過剰摂取や常習による慢性疾患といわれています。その背景にあるのは、スターとして輝き続けなければならないという強迫観念かもしれません。一般人の想像を超えたスターゆえの強いストレスがあってもおかしくはありません。プレスリーも睡眠薬多量摂取で亡くなっています。マイケルより若い42歳でした。
 死んでからも輝き続けるのが本物のスターといわれても、縮めた寿命は元に戻せません。命懸けでスターであり続けたとは言えるでしょうが、太陽が出ている時、星が見えないように、スター以前の本来の自分に戻る勇気も大事です。その上で、この世にふたつとない、かけがえのない命なのだからと、生きて命を輝かせるために精進できる男こそ、「ミスター」という称号で呼びたいものです。
それでは又、7月11日よりお耳にかかりましょう。CA0NQ5RX.jpg

最近の法話

【第1172話】
「野ざらしの抜け殻」
2020(令和2)年7月11日~20日

news image

泰山木 お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1172話です。 「しがみつく」を漢字で書くと、ライオンの獅子という字の「獅」と「噛みつく」という字で「獅噛みつく」になります。獅子のように強く噛んで離さないという意味がよくわかります。 昨年の夏は猛暑で蝉が元気でした。徳本寺の鐘撞き堂の柱や天井に、何と13匹の蝉の抜け殻が確認出来て驚きました。1カ所にそれほどたくさんの... [続きを読む]

【第1171話】
「自然の流れ」
2020(令和2)年7月1日~10日

news image

住職が語る法話を聴くことができます お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1171話です。 ビニール袋を英語では、プラスティックバッグと言います。また厳密には、ビニール袋・ポリ袋・ナイロン袋の成り立ちは違いますが、名称としてはあまり区別しないで使っていませんか。加えて立派な市民権を得ているのがレジ袋です。 そして、プラスティック製のレジ袋が、この7月から原則として有... [続きを読む]

【第1170話】
「甲子園の土」
2020(令和2)年6月21日~30日

news image

住職が語る法話を聴くことができます お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1170話です。 高校球児が持ち帰った甲子園の土が、海に捨てられるという出来事がありました。今から62年前の昭和33年のことです。夏の高校野球選手権は第40回記念大会ということで、大会史上初めて全都道府県に沖縄の代表校を加えた47校で開催されました。沖縄代表は首里高校です。 善戦むなしく1回線... [続きを読む]