テレホン法話
~3分間心のティータイム~

【第956話】「『自恣』を支持」 2014(平成26)年7月11日-20日

住職が語る法話を聴くことができます

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 お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第956話です。
 今年も半年が過ぎました。中弛みにしていませんか。どんな大事件が起きても、その時は一億総評論家になって、喧(かまびす)しいのに、一週間もたてば関心は薄れてしまいます。自分も含めて世の中は惰性で動いていないかと、問いかけてみたくなります。
 お釈迦さまの時代から、安居(あんご)ということが行われていました。安心の安に居住の居と書いて「安居」と読みます。安穏にとどまるということです。インドで雨期にあたる4月15日から7月15日の3カ月間は、托鉢などの外出を避けて、精舎(しょうじゃ)といわれる修行道場にとどまって、修行・修学の生活を送りました。大雨で洪水が発生したり危険であるし、草木の若芽を踏みつぶしたり、水を避けて集まる虫たちを踏み殺しかねないという慈悲の心からです。大勢の修行僧が結集して、制度に則り修行するので、結制安居とも呼ばれます。
 安居中の90日間は、足を禁ずると書く「禁足」期間であり、外に出ることを禁じられます。禁足明けの7月15日は待ち遠しいものですが、修行中の反省の日でもあります。お釈迦さまは7月15日の満月の夜に「自恣(じし)」という儀式を行いました。自恣とは、自ら恣(ほしいまま)にするということで、我がまま勝手な行いを反省することです。修行僧一人ひとりは、みんなの前に立ち、「自分に修行者として相応しくない言動があったら、遠慮なく指摘して下さい。深く反省して正しい行いをするようにしますから」と告げます。それぞれ気づいたところを指摘し合い、共に懺悔します。お釈迦さまも自らのことを、弟子にお尋ねになります。それはご自分も修行者の一人と考えているからです。
 そして、長く厳しい安居を経て、自恣の儀式を終えると、修行僧はそれぞれ別々の場所に向けて遊行の旅に出ます。この時、人々は食べ物や衣などさまざまな供養の品物を届けにやって来ます。このような供養をすることにより、過去七世の父母を救うことができるという信仰が生まれました。これが盂蘭盆・お盆の行事になったと伝えられています。
 さてこの半年間、わが国では様々なことがありました。東日本大震災からの復興は、決して顕著ではないのに、いつの間にか憲法の解釈が恣になされたりしています。7月15日ならぬ、8月15日に毎年、自恣の儀式の如くに、戦争を反省し、反戦の想いを培ってきたはずです。それなのに、この国のリーダーは、自分も国民の一人であるという意識ではなく、自分一人の国であるかのごとき言動です。何事も謙虚に反省する自恣の姿がないと、支持率は下がるばかりですよ。
 ここでご報告致します。6月のカンボジア・エコー募金は、91回×3円で273円でした。ありがとうございました。
 それでは又、7月21日よりお耳にかかりましょう。

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