テレホン法話
~3分間心のティータイム~

【第959話】「命はひとつ」 2014(平成26)年8月11日-20日

住職が語る法話を聴くことができます

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 お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第959話です。
 「最後に今日来てくれた子どもたちにお願いがあります。あなたたちのすぐそばに、あなたたちを一番愛している人がいることを忘れないで下さい。死という形でなくても、あなたたちが目の前からいなくなったら悲しむ人がいることを決して忘れないでください。そして自分の人生を大切に生きてください」
 平成16年6月1日、長崎県佐世保市で小学校6年の御手洗怜美(みたらいさとみ)さんが、校舎内で同級生の女子児童にカッターナイフで切りつけられ死亡するという事件がありました。怜美さんのお別れの会で、父親の御手洗恭二さんは、参列した同級生たちに「自分の人生を大切にしてください」と語りかけたのでした。
 あれから10年、同じ佐世保市でまたしても悲惨な事件が起きました。7月26日に高校1年の女子生徒が同じ高校の同級生の女子生徒をマンションで殺害し、遺体の一部を切断するという猟奇的とも言える出来事です。加害者の女子生徒は、「人を殺してみたいという欲求が中学生のころからあった」という趣旨の説明をしているそうです。過去にも給食に異物を混入させたり、何度も猫などを解剖するなどの問題行動があったことも明らかになっています。
 10年前の事件後、地元では地域で子どもを見守る努力をしてきました。佐世保市の教育委員会では6月を「いのちを見つめる強調月間」として、様々な取り組みをしてきたといいます。それなのにまたもや衝撃的な事件が繰り返されたことに、誰もが言葉を失うばかりです。10年前加害者の女子生徒の年齢は5歳、まだ幼稚園児でしょうか。当時の事件をどの程度理解できていたのかは、何とも言えません。女子生徒は昨年の秋に母親を病気で亡くしています。大切な人を失った悲しみを十分に味わっているはずです。今年のお盆は母親の初盆になります。
 お盆は亡き人が家に帰って来られるのをお迎えして、生きている者の無事を報告し、亡き人の想い出やおかげを語り合うひとときです。御手洗さんの挨拶にあるように、愛する人が目の前からいなくなったら耐えられないことです。それでも年に一回お盆になれば、会えると信じて、人々は悲しみに耐え、乗り越えてきたのでしょう。亡き人の側から言えば、亡くなっても愛してくれる人がいると思えるから、お盆に戻って来られるのです。女子生徒が心して母親の初盆を迎えようという気持ちがあれば、最悪の結果を避けることができたような気がします。
 人であれ虫であれ、命あるものの命は、斉しくひとつだけです。自分の人生を大切に生きるとは、そのたった一つしかない命だからなのです。失えば取り戻すことができないから、悲しむという想像力がお盆という風習を生んだような気もします。
 ここでご報告致します。7月のカンボジア・エコー募金は、70回×3円で210円でした。ありがとうございました。
 それでは又、8月21日よりお耳にかかりましょう。

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