テレホン法話
~3分間心のティータイム~

【第812話】「番付表」 2010(平成22)年7月11日-20日

20100710-2.jpg お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第812話です。
 徳本寺の玄関には大相撲の番付表が額に入れて飾ってあります。今から14年前の平成8年名古屋場所のものです。当時幕内の前頭だった舞の海関からいただきました。横綱には貴乃花と曙の名前が載っています。大相撲の番付表をどうして玄関に飾るのかと言えば、強い力士の名前が並んでいるから、悪者が家の中に入れない又は悪者を退散させるという縁起を担いでのことです。おかげさまで、これまでのところ、善男善女の方ばかりが訪れて下さっています。
 時は移り、今年の名古屋場所の番付は異例です。大相撲の関係者が野球賭博に関わっていたという事実が判明したからです。番付編成は5月末に完了しているため、この度、賭博の疑いがもたれ処分された者の名前も番付に残ることになりました。十両以上の70人のうち、2割近い力士が土俵に上がれないという異常事態になっています。その者たちの名前が載っているのです。解雇された元大関や前親方などの名前もあります。
 再度言いますが、番付表は悪者が入ってこないという縁起物と言われています。その番付に野球賭博という悪いことをした者の名前があるのでは、縁起物の力が発揮できないではないですか。元々相撲取りは力士といわれ、相撲のことを角力とよんでいます。角力とは力比べをするということです。相撲取りが野球にうつつをぬかしてどうしようというのでしょう。相撲と野球では土俵が違います。力比べなど、到底できるものではありません。
 野球賭博をやるくらいなら、それぞれの力士がファンのみなさんに「俺の土俵を観て、俺の相撲に賭けてくれ。決して損はさせないから」と言うぐらいの心意気で、一番一番真剣に力の比べ合いをするべきでしょう。勿論、相撲で賭け事をしろというのではなく、勝負の勝ち負け以上に、まさに体を張った力のぶつかり合いを観せて、同じ人間でも力士ともなれば、ここまでできるのかという感動を与えるということです。
 解雇になった元大関も、大関昇進の時の口上はこうでした。「謹んでお受け致します。いかなるときも、力戦奮闘し、相撲道に精進致します」。相撲道というからには、人の行うべき道をはずれず、相撲の道を極めて行くことが求められます。そこで常人にはない力を発揮するからこそ、力士として一目置かれます。その力を活かせず、世間から煙たがられる相撲取りでは、まるで「スモーカー」ではないですか。その番付表は縁起物ならぬ禁縁起物になってしまいます。
 ここでご報告致します。6月のカンボジアエコー募金は、410回×3円で1,230円でした。               ありがとうございました。
尚、この徳本寺テレホン法話をまとめた『僧が語る印笑的な話』という本を、一冊1,500円にて好評発売中です。一冊お求めいただくと、カンボジアの子どもたちに絵本を一冊プレゼントできます。ご希望の方は、電話0223-38-0320徳本寺までお申し込み下さい。送料無料にて、お届致します。
 それでは又、7月21日よりお耳にかかりましょう。

最近の法話

【第1155話】
「怨みなき空身」
2020(令和2)年1月21日~31日

news image

お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1155話です。 「無辜の人」というときの「辜」という字は、「古い」と言う字の下に「辛い」と書きます。あまり馴染みがありません。それもそのはず、「人をはりつけにして、死体を乾かして堅くする」ということで、「重い罪」を表わすという物騒な意味があります。 「無辜」とは、罪がないことです。「無辜の民を戦禍に巻き込む」と辞書の例文にはあ... [続きを読む]

【第1154話】
「人生のセオリー」
2020(令和2)年1月11日~20日

news image

お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1154話です。 人生の最期に食べたいものは何ですかと聞かれたら、迷うことなく「お寿司」と答えます。生臭坊主と謗られることは覚悟の上です。お寿司を日常的に食べている人は少ないでしょう。ハレの日の食事という感じでしょうか。人生最期がハレの日と言えるかどうかは別として・・。 さて、お正月の風物詩になりつつあるような東京・豊洲市場の「... [続きを読む]

【第1153話】
「ラッキーマウス」
2020(令和2)年1月1日~10日

news image

住職が語る法話を聴くことができます お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1153話です。 あけましておめでとうございます。子年のネズミは十二支の始まりの干支ですので、特に始まりの始まりということを意識して、新年を迎えた方も多いのではないでしょうか。 さて、世界で最も有名なネズミといえば、ミッキーマウスでしょう。今から92年前の1928年に誕生しています。生みの親は... [続きを読む]