テレホン法話
~3分間心のティータイム~

【第819話】「人みな幸(さち)を」 2010(平成22)年9月21日-30日

20100921.jpg お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第819話です。
 「仏教は『幸福学』です」と言い切っているのは、宗教評論家のひろさちやさんです。確かにお釈迦さまには、様々な教えがありますが、すべては人々に幸せになってほしいという思いが、根底にはあるはずです。また、誰しも幸せになりたいと願っていますし、不幸になりたいと思う人はいないでしょう。ただ、幸せとは何かというのが問題です。
 お釈迦さまは、「他を利することは即ち自らを利するなり」として、自分だけが幸せなのはほんとうの幸せではなく、他の人を幸せにすることが、自らも幸せと感ずることになるとおっしゃいました。たとえば、お母さんが赤ちゃんにおっぱいをあげて、赤ちゃんにニコッとされたら、幸せを感じるでしょう。それは、何ら見返りを求めないで、「ただ」おっぱいをあげているからです。しかし、一般的には何かを施せば、見返りを求めたくなります。「これだけしてあげたのに、何のこともない」などと、ぎくしゃくした思いが交錯したりして、なかなか真の幸せには届かなくなることがあります。
 「ただ」が大事です。梵語という古いインドの言葉で「タダ」の「タ」は「施す」で、「ダ」は「宇宙」という意味があります。つまり、「宇宙に施す」ことが「タダ」であり、相手を決めず、見返りを求めない、遣りっ放しの心の現れです。
 そんなお釈迦さまの幸せの願いを徳本寺に於いても、実践しようということで、「徳本寺の御詠歌『空』」を作りました。
 ♪大空の広き心の徳本寺 人みな幸(さち)を叶えと願う
 「タダ」は宇宙に施すことですが、宇宙の大空が大地のすべての生きとし生けるものを護り包みこんでいる。そのような大きな心を私たちも抱いて、自分だけではない、他の人々の幸せをも、「タダ」願う日々を送りましょうという思いを込めました。それは、彼岸に到るための修行のひとつである「布施行」つまり「思いやり」の実践でもあります。
 【徳本寺御詠歌独詠】
    大空の 広き心の 
    徳本寺 
    人みな 幸を 
    叶えと 願う
 御詠歌独詠は岡崎るみ子さんでした。
 それでは又、10月1日よりお耳にかかりましょう。

最近の法話

【第1154話】
「人生のセオリー」
2020(令和2)年1月11日~20日

news image

お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1154話です。 人生の最期に食べたいものは何ですかと聞かれたら、迷うことなく「お寿司」と答えます。生臭坊主と謗られることは覚悟の上です。お寿司を日常的に食べている人は少ないでしょう。ハレの日の食事という感じでしょうか。人生最期がハレの日と言えるかどうかは別として・・。 さて、お正月の風物詩になりつつあるような東京・豊洲市場の「... [続きを読む]

【第1153話】
「ラッキーマウス」
2020(令和2)年1月1日~10日

news image

住職が語る法話を聴くことができます お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1153話です。 あけましておめでとうございます。子年のネズミは十二支の始まりの干支ですので、特に始まりの始まりということを意識して、新年を迎えた方も多いのではないでしょうか。 さて、世界で最も有名なネズミといえば、ミッキーマウスでしょう。今から92年前の1928年に誕生しています。生みの親は... [続きを読む]

【第1152話】
「ゴールを定める」
2019(令和元)年12月21日~31日

news image

住職が語る法話を聴くことができます お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1152話です。 寺社建築など格式ある建物に、格天井(ごうてんじょう)があります。格子(こうし)に組んだ升目の中に一枚板が収まっています。洋風のクロス張りと比べると、手が込んでいることがわかります。升目の部材である組子(くみこ)は、単なる棒ではなく、面取りが施してあります。それは銀杏面(ぎんなん... [続きを読む]