テレホン法話
~3分間心のティータイム~

【第828話】「心のかけはし」 2010(平成22)年12月21日-31日

住職が語る法話を聴くことができます

201012-.jpg お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第828話です。
 年末の代表的テレビ番組は「紅白歌合戦」ですが、歌で戦いを交わすというのも、考えてみれば無粋なことです。他に戦いがないほど平和だというのであれば結構ですが・・・。軽口はともかく、歌は世につれ人につれ、一曲の歌で、その年を思うこともできます。わずか数分間の歌でも、聴く人が、自分の人生と照らし合わせて、歌の中で追体験や共感できることがあると、長編小説を読んだ以上の感動を呼ぶこともあります。心に沁みれば、励まされたり、癒されたりということにもなります。
 曹洞宗ボランティア会がその前身である、SVAシャンティ国際ボランティア会が、来年30周年を迎えます。それを記念して「SVAの歌」を作ろうということになりました。行きがかり上、私が歌詞を書き、曲は作曲家の土田有紀さんに依頼しました。歌は小学5年生の佐藤萌夏ちゃんです。SVAの30年の思いと、これからもみなさんと共にSVAは歩んでいきますというメッセージが狙いです。SVAは数え切れない「ありがとう」の言葉をつなぎながら、アジアの子どもたちへ絵本でかけはしを架けていく、これまでもこれからも。そんなことを伝えるべく『シャンティ心のかけはし』という歌になり、CD化されました。
 土田さんがSVAの思いをすべて汲み取ったかのように、スケールの大きな曲に仕上げ下さいました。萌夏ちゃんはアジアの子どもの代表のような感じで、心から「ありがとう」の思いを込めて歌ってくれました。先日その発表披露が、SVA関係者の集いで行われました。エンディングのところは、みんなで大合唱になり、たいへん盛り上がりました。たいていの人は初めて聴いた歌なのですが、何人もの人が目を潤ませていました。SVAに関わりのない人が聴いたら、ただの歌にしか聞こえないかもしれません。しかし、SVAに思いを抱き、アジアの子どもたちに思いを馳せている人にとっては、「ありがとう」の一言を聴いただけでも、特別な感慨が込み上げてきたのでしょう。これまで出会った子どもたちの輝く瞳や、こぼれる笑顔が浮かんだのかもしれません。
 ♪ありがとうの言葉は それぞれ違っていても
 心はひとつ 願いを結ぶ 架け橋に
 シャンティ シャンティ これまでもありがとう
 シャンティ シャンティ これからもありがとう
 歌は聴く人の思いによって、心を潤す潤滑油になり得ます。歌は私たちに大いなるエネルギーを与えてくれる力があります。まさに歌の力は「歌力発電」です。みなさまも今年心に残った歌を、来年へ向かう架け橋にして、良いお年をお迎え下さい。
 それでは又、来年1月1日よりお耳にかかりましょう。

最近の法話

【第1214話】
「失ったものを数えない」
2021(令和3)年9月11日~20日

news image

お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1214話です。 そのラストシーンは感動的で強く印象に残りました。40年前に見た「典子は、今」という映画です。両腕を失ったサリドマイド児として生まれた典子が、船から海に飛び込み、大海原をひとり泳ぐのです。両足だけで力強く泳ぐ姿を、上空のカメラが捉えています。そこに本人も歌っている映画のテーマソングが流れます。彼女の行く末に無限の可... [続きを読む]

【第1213話】
「一茎菜の命」
2021(令和3)年9月1日~10日

news image

住職が語る法話を聴くことができます お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1213話です。 時恰も宮城県で緊急事態宣言が発令された8月27日、仕出し業者から封書が届きました。「コロナ禍で仕出しの形態も様変わりし、新しい生活様式に適応すべく様々な経営努力を行ってまいりました。しかし厳しい状況は続き苦渋の決断として、廃業することになりました」という挨拶状でした。 長年、... [続きを読む]

【第1212話】
「ヒマワリ」
2021(令和3)年8月21日~31日

news image

住職が語る法話を聴くことができます お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1212話です。 昔のこと、田植え前の田んぼ一面にレンゲの花が咲いていたのを覚えています。米が実ったり花が咲いたり、田んぼはすごいと思ったものでした。しかし、あれは自然発生のレンゲではなく、栽培していたものだったのです。いわゆる「緑肥」です。植えた植物を肥料として土壌に入れたまま耕すものです。 ... [続きを読む]