テレホン法話
~3分間心のティータイム~

【第1074話】「継続の差」 2017(平成29)年10月21日-30日

1074.jpg お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1074話です。
 ある新聞販売店の方がこんなことを言っていました。「土・日もなく毎朝新聞を配達しなければならないから、泊りがけの旅行なんてほとんどしたことがない。でも子どもが可哀そうで、新聞休刊日の時、学校に無理を言って、子どもを休ませ、何度か家族旅行をしたことがある」。毎朝、新聞が届けられることが当たり前の陰には、一人の子どもが学校を犠牲にすることもあると知りました。
 日本新聞協会が募集した今年の「新聞配達に関するエッセーコンテスト」の大学生・社会人部門で最優秀賞になったのは、新潟市の青山未花子さんの「見ていてくれた人」という作品です。彼女は大学4年間を新聞奨学生として、毎朝新聞配達をしながら、勉学に励みました。彼女がモットーとしていたことは、新聞配達員は、お客様に気が付かれてはいけないということです。嵐や大雪・停電の時もひたすらポストを目指して走りました。どんな状況でも確実に新聞を届けることを第一にしたのです。
 彼女によれば、毎朝「今日も新聞が届いているな」と考える人はいない。新聞配達が意識されるとすれば、新聞が届かないか、届いても雨ぬれや破れがあったり、遅く配達されたときだから、当然毎日そこにあるのが、新聞のあるべき姿だと思っていたのです。
 しかし、4年間勤めた配達最後の日に、ドラマが待っていました。朝の2時、真っ暗なポストの前で、彼女を待っていた人がいたのです。彼女はポストにではなく、初めて手渡しでその人に新聞を届けたのです。引き換えに手紙をいただきました。
 「卒業おめでとう。毎日4年間、新聞を届けてくれたね。あなたの未来は開けている、大きくなれる人。絶対幸せになって。心からありがとう」そう書いてありました。お客様に気付かれてはいけないと思っていた彼女ではありますが、見ていてくれた人がいたと、素直にうれしさを書き表していた心温まるエッセーでした。
 毎朝当たり前に届く新聞には、新聞の記事にはならなくとも、人知れず努力している名もない人の思いも折り込まれている気がします。その努力とは、どんなことがあっても毎日届けるという継続の力です。こんな言葉があります。「才能の差は小さいが 努力の差は大きい 継続の差はもっと大きい!」。彼女の継続の差が、午前2時の思いがけない出会いを生んだのでしょう。
 ここでお知らせ致します。来る10月29日(日)午後2時より徳本寺において、第11回テレホン法話ライブを開催致します。このテレホン法話が今年で30年になる記念のライブですが、どの程度継続の差をお伝えできるでしょうか。ゲストは歌手の高橋佳生さん。入場無料。お茶を飲みながら、ピアノの調べにのせて語る法話や歌をお楽しみください。
 それでは又、11月1日よりお耳にかかりましょう。

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