テレホン法話
~3分間心のティータイム~

【第831話】「しあわせマスク」 2011(平成23)年1月21日-31日

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お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第831話です。
「斎藤佑樹」「伊達直人」、今日本中で一番注目されている名前ではないでしょうか。斎藤佑樹はご存じのように、早稲田大学からプロ野球の日本ハムに入団した話題の投手。甲子園では「ハンカチ王子」として一世を風靡しました。まだ2軍での練習期間というのに、一目見たさに何千人ものファンが押しかけています。片や伊達直人を見た人はいません。そして、斎藤佑樹は1人ですが、伊達直人は全国に何人もいます。
今から40年以上も前に大ヒットしたプロレス漫画「タイガーマスク」の主人公が伊達直人です。その名前を名乗って、昨年のクリスマスに前橋市の児童相談所に、ランドセル10個を「子どもたちのために使って下さい」とプレゼンしたのが始まりでした。その後、年が明けてから、全国各地で、「伊達直人」名でランドセルなどの善意のプレゼントが、児童施設などに届けられています。最初の善意に対する共感で、「善意の連鎖」を生んでいるかのようです。「タイガーマスク運動」と呼ぶ人もいるほどです。
今年最初のこのテレホン法話の中で、ウサギ年に因んで、ウサギの餅つきを引き合いに出し、「今年もみなさんに幸せになってほしいと、餅を配ることができるような生き方をしたいものです」というようなことをお話したばかりです。早くもランドセルという餅が配られているとは、御同慶の至りです。勿論「タイガーマスク運動」を予言していたわけではありません。自分の幸せを願うのは当たり前のことですが、自分の幸せには際限がありません。そのことを多くの人が気づき始めているのではないでしょうか。
美味しいものを食べて、幸せと思ったとして、次にはもっと美味しいものを求めたくなります。流行の服で着飾った人も、飽きが来れば、次なるファッションに目移りします。しかし、自分の行いで、他人に喜んでもらえるというのは、単純に幸せが倍になる感じがします。他も幸せを感じ、そのことによって自分も幸せを感じるということです。ふたつの幸せが同時に味わえるようなものです。自分だけの「もっと幸せを」という思いは、結局は現在の幸せを味わい尽くしていないで、山の彼方(あなた)を見ているのでしょう。
「一生の終わりに残るものは、われわれが集めたものではなく、われわれが与えたものだ」。これはジュラール・シャンドリーという人の言葉です。「俺が俺が」と夢中で何かを集めても、俺以外は誰も喜んではくれません。最後は虚しさが残るだけです。しかし、出来る範囲で、手を差し伸べるべき人に差し伸べれば、その人に喜ばれ、まわりにも喜ばれ、感謝された自分もじわじわと喜びが増してきます。
笑顔連れ しあわせなかの ランドセル マスク越しに 見るも幸せ
それでは又、2月1日よりお耳にかかりましょう。

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