テレホン法話
~3分間心のティータイム~

【第1018話】「新年度」 2016(平成28)年4月1日-10日

住職が語る法話を聴くことができます

1018.jpg お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1018話です。
 4月1日は年度初め。小・中・高校、大学の学年も法律により、「4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる」と定められています。しかし実際の就学年齢で言えば、当年4月2日生まれの子から翌年4月1日生まれの子までが同級生ということになります。このズレを不思議に思ったことはありませんか。
 学校教育法では、保護者は、「子女の満6歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから」小学校に就学させる義務を負うとされています。では「満6歳なった」というのはいつなのか。普通は誕生日その日と認識しているでしょう。ところが年齢計算二関スル法律によれば、年齢は出生の日より起算し、出生日の前日に満了し、1歳加算されることになっています。
 つまり、4月1日に生まれた子は、1年を経て4月1日前日の3月31日の深夜12時を迎えた瞬間に年齢が1つ加わるのです。4月1日生まれとはいえ、3月31日に満6歳になるのですから、新学年初めの4月1日には間に合うわけです。いわゆる「早生まれ」とは、その年の1月1日から4月1日までの間に生まれるこというわけです。
 さて私たち仏教徒にとっても、4月は新年度と言ってもいいでしょう。4月8日はお釈迦さまがお生まれになった日です。お釈迦さまの生誕をお祝いするというのは、仏教の原点を確認することでもあります。生誕の地として知られる、ネパール・ルンビニのマヤ堂遺跡。そこにはお釈迦さまが産声をあげたことを示す目印石と見られる「マーク・ストーン」が、20年ほど前に発見され、話題になりました。
 インドに仏教を広めたマウリア王朝のアショーカ王は、釈迦入滅後約150年経った紀元前249年に、ルンビニを訪れました。その時、ここが釈迦生誕地であると聞き、大地にひれ伏し、そこに目印を置くように命じたといいます。その目印の石であれば、お釈迦さまの伝記を実証する発見というわけです。そこが仏教の原点とも言えます。
 お釈迦さまの時代に、「早生まれ」という制度はなかったでしょう。生まれが1日違いで、学年が1年遅れるというのは、多少複雑な思いをすることもあるかもしれません。でもお釈迦さまは、お生まれになってすぐ、「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」と宣言されました。これは「我一人尊い」ということではなく、誰もが尊い命をもつ大切な人であるから、自分を大事にするように、他人も尊びなさいということです。生まれた日はそれぞれでも、みんな等しくたったひとつの命をいただいているのです。3月31日から4月1日へと寸分の間もなく、命はつながっています。そして命も新年度を迎えています。誕生仏に手を合わせ、普段はあまり意識しない、命の原点とつながりに思いを馳せましょう。
それでは又、4月11日よりお耳にかかりましょう。

最近の法話

【第1218話】
「二面石」
2021(令和3)年10月21日~31日

お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1218話です。 先般、奈良県明日香村にある天台宗の橘寺をお参りする機会がありました。付近に聖徳太子が生まれた場所があります。橘寺も聖徳太子が建てた寺院のひとつです。当然の如く本尊には、聖徳太子像を祀ってあります。建立年代は不明ですが、「日本書紀」に寺の存在が記されているので、1500年以上の歴史があるようです。 そこに「二面石... [続きを読む]

【第1217話】
「品位(ひんい)と品位(ほんい)
2021(令和3)年10月11日~20日

住職が語る法話を聴くことができます お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1217話です。 「皇室経済法6条」には、皇族が身分を離れる際には、品位保持のため一時金を支給する旨が定めれています。渦中の眞子さまが小室さんと結婚するにあたり、その一時金を辞退しました。1憶3725万円という額です。「小室家の金銭トラブル」ゆえのことなのでしょう。二人の結婚の意思は固いものの、... [続きを読む]

【第1216話】
「念仏」
2021(令和3)年10月1日~10日

住職が語る法話を聴くことができます お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1216話です。 「念仏申すより田を作れ」という諺があります。極楽往生を願って念仏を唱えるより、田んぼに出て米を作れということで、直接利益になることに精を出せということでしょう。我が町には各地区ごとに念仏講がありましたが、今や風前の灯となってしまいました。米の収穫が増えたからではなく、念仏講員が... [続きを読む]