テレホン法話
~3分間心のティータイム~

【1313話】「親子3代で完走」 2024(令和6)年6月11日~20日

 お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1313話です。

 今年はパリオリンピックですが、マラソンの距離が42.195㎞に固定したのは、ちょうど100年前の1924年第8回パリオリンピックの時からです。第1回アテネオリンピックでのマラソンは40キロでした。その起源は、ペルシャ軍がギリシャのマラトンに攻め入った「マラトンの戦い」で、ギリシャ軍が勝利し、その伝令の兵士がマラトンからアテネまで走った約40キロの距離と言われます。紀元前490年のことです。

 マラソンはオリンピックでも花形競技ですが、一般市民の間でも大人気です。各地でご当地名を冠したマラソン大会が行われています。4月末に次のような新聞投書が目につきました。「今年44回目の河北新報錦秋湖マラソンは、5月26日に開催されます。私は第3回大会から出場し続けています。ここ数年は長女と出場していましたが、今年は北海道で大学生活を送る孫娘も加わって3人で10キロの部に挑みます・・・」

 「親子3代でゴールを目指す」というタイトルの投書の主は仙台市の岡本幸治さんです。実は岡本さんとは20年来の知り合いです。このテレホン法話の愛聴者でもあり、何度も感想を寄せて下さいました。しかし、マラソンを走る方とは意外でした。しかも88歳とは驚きです。更に投書には、これまでフルマラソン13回を含め、国内外で367回完走していて、毎朝3~5キロの練習を続けているとありました。筋金入りのランナーであることに只々感服し、早速錦秋湖でも完走できますようにと応援のはがき送りました。

 そして錦秋湖マラソンの翌日には「親子3代で完走 絆かみしめる」という記事が河北新報に大きく掲載されました。親子3代の笑顔の写真は清々しさに満ち溢れていました。岡本さんはレース中に脚をつりながらも、制限時間10分オーバーで走り抜きました。米寿を祝って、親子3代で挑んだ大会で完走を果たしたのです。それもこれも岡本さんのマラソンの実績と、その背中を追って20回ほど一緒に出場した娘さん、更には孫娘さんは子どもの頃から2人の走りを見て応援してきたという絆があったればこそです。

 マラソンの起源は勝利を伝えるために走ったことに由来します。そのことを思えば岡本さんのマラソンには伝えるという意義が十分に反映されています。走ることは勿論、弛まず精進して最後まで諦めないという生き方が、娘さんにも孫娘さんにも伝わったのですから。近代ロケットの父ゴダードは次のように言っています。「昨日の夢は 今日の希望であり 明日の現実となる」。これまで岡本さんは様々な夢を追うが如くにして走ってきたことでしょう。完走するたび、希望が芽生え、明日へと向かってきたはずです。この度の米寿記念の親子3代完走は、究極の夢であり希望だったのでしょうが、紛れもない現実となりました。それは偉業とも言えます。

 ここでお知らせいたします。5月のカンボジアエコー募金は、1,407回×3円で4,221円でした。ありがとうございました。それでは又、6月21日よりお耳にかかりましょう。          

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