テレホン法話
~3分間心のティータイム~

【第1187話】「マスク托鉢」 2020(令和2)年12月11日~20日


 お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1187話です。

 「ギブアンドテイク」という英語は、お互いに利益を与え、利益を得ることを言います。托鉢もその根底にあるのはギブアンドテイクだと言ったら、お釈迦さまに叱られるでしょうか。

 実は私たちが托鉢で浄財をいただく時、建て前としてはありがとうとは言いません。その代わり「財法二施 功徳無量 檀波羅蜜 具足円満(ざいほうにせ くどくむりょう だんばらみつ ぐそくえんまん)」という施財の偈を唱えます。財法二施とは、布施には二つあることを示します。財施と法施です。財施は一般的に僧侶に施す金品です。それに対して僧侶がお経を挙げ、教えを説くのが法施です。わかりやすく言えば、まさにギブアンドテイクなのです。

 みなさんはどうして財を施す布施をするのかといえば、その功徳が無量と信じるからです。仏の教えに適った善行を積むことで、清々しい気持ちで毎日を暮らしたいという願いが、そこにはあります。檀波羅蜜の檀はダーナで布施のことです。波羅蜜は悟りに至るための修行を指します。施財の偈を要約すれば「財施法施共に功徳は無量で、布施こそが悟りに至る一番の修行であり、それが具わっていれば、すべての生き方が円満になりますよ」ということです。

 さて、亘理郡内曹洞宗寺院青年会の恒例の行事である歳末扶け合い托鉢を、今年も12月7日に徳本寺界隈で行いました。昭和の終わりから30年以上続けています。東日本大震災の時は、さすがにできませんでしたが、今年はコロナ禍でもそれなりの対応をして実施しました。コロナ感染終息を念じての托鉢でもありましたが、正直言って、マスクをして歩きながらお経を唱えるのは辛いものです。それでも、浄財をいただくときは密にならざるを得ません。面と向かって施財の偈を唱えるのですから、外での行事とはいえ細心の注意を払いました。

 コロナ以前から人口減が進み閑散とした地域ではありますが、有り難いことに今年は例年より多く浄財をいただきました。コロナにより自粛や巣ごもりが日常的になっている中で、みなさんは何かしら清々しいことを求めていたのかもしれません。マスクをしながらでも財法二施を行じるため、ひたすらお経を唱えて歩く姿に、我ながら清々しさを覚えました。浄財を喜捨して下さった方が、施財の偈を聴きながら手を合わせている姿は、更に清々しいものでした。そう浄財を施すことを、喜び捨てると書き、喜捨と言います。まさに清々しさの極みです。そういえば自動車を運転していた人が、わざわざ降りて喜捨して下さったこともありました。自動車でも喜捨(汽車)とはこれ如何に。「ギブアンドテイク」を「寄付安堵で行く(キフアンドデイク)」と読むが如し。寄付して安堵したら悟りに行くばかりとご理解ください。

 ここでお知らせいたします。11月のカンボジアエコー募金は、225回×3円で675円でした。ありがとうございました。

 それでは又、12月21日よりお耳にかかりましょう。



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