テレホン法話
~3分間心のティータイム~

【第1135話】「毛がない本尊」 2019(令和元)年7月1日~10日

  

住職が語る法話を聴くことができます



  

 お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1135話です。

 東日本大震災で、本堂等すべてが流された徳泉寺の本尊・お釈迦さまは、奇跡的に無事発見されました。幸いなことに、徳泉寺の本寺である徳本寺の本堂で仮安置されることになりました。そして奇跡の本尊「一心本尊」さまが、全国デビューしたのは、平成25年12月31日のこと。NHKの看板番組「ゆく年くる年」によってです。

 仮安置されている徳本寺から、除夜の鐘の中継放送があった折に、山元町の特産品であるいちごと共に紹介されました。奇跡的に発見された一心本尊と、大打撃を受けながらも見事復活した真っ赤ないちごが、画面いっぱいに映し出されました。各地を結んでの年末年始のワンシーンですから、わずか2分20秒の映像でしたが、被災地も立ち直ってきたぞというアピールはできたような気がします。大震災から1027日のことです。

 その本尊さまですが、詳細についての記録は元々ありませんでした。古さは感じられず、現代のものかもしれません。台座・光背・脇侍は流されて不明です。本尊さま本体の金箔や塗りは剥げて、多少傷はついてしまいました。頭部を見て誰もが、震災のためですかと言います。お釈迦さまの頭は、縮れて渦巻いた螺髪(らほつ)という髪型で、頭頂が肉(にっ)(けい)といって、少し盛り上がっているものです。ところが一心本尊さまは、肉髻の部分に螺髪がなく無毛なのです。髪の毛の一部が何らかの影響でなくなってしまったかのようです。

 確かに珍しいお姿ではありますが、津波の影響でも何でもありません。私の知る範囲では、東京・目黒の五百羅漢寺の本尊のお釈迦さまが、同じように肉髻に髪の毛はありません。五百羅漢寺によれば、この像を造った松雲元慶は黄檗宗の方で、中国禅宗様式に影響を受けた作風だといいます。また奈良国立博物館にある南北朝時代の作の出山(しゅっせん)釈迦(しゃか)立像(りゅうぞう)(6年間の苦行林での修行後に山を下りてくる釈迦の姿)も、同じように髪の毛のない肉髻になっています。

 肉髻に髪の毛のあるなしはともかく、肉髻はお釈迦さまの徳相を表す三十二相のひとつです。悟りに達した証と頭脳明晰さを示しているといわれます。その上、徳泉寺の一心本尊さまは、千年に一度ともいわれる災難を逃れて、世の人々の無難無災を一心に願う奇跡の仏さまです。特に「みんな怪我(毛が)なく」無事でありますようにと一心に祈っていると思ってください。

ここでお知らせいたします。徳泉寺復興の仕上げとして復興誌『青空があるじゃないか』制作のためのクラウドファンディングを展開中です。「レディーフォー徳泉寺」で検索してみて下さい。
【詳細はコチラ】

 それでは又、7月11日よりお耳にかかりましょう。

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