テレホン法話
~3分間心のティータイム~

【第1115話】「終活より縁活」 2018(平成30)年12月11日~20日

住職が語る法話を聴くことができます


 お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1115話です。

 その昔、「シュウカツ」といえば、若者が行う就職活動を意味しました。今や老人が行う終焉に向けての準備活動である「終活」という言葉もあります。2009年に某週刊誌で初めて使われた造語のようです。

 その終活などという言葉が、まだ世に出ていない10年以上前の今頃の時期のことです。喪中挨拶のはがきに交じって、次のような挨拶状が送られてきました。「思うところあって、これからは対外的なお付き合いは、必要最小限に留めてまいります。よって、勝手ながら年賀状などの交信は一切ご遠慮申し上げます」というような内容でした。

 その方は当時70代のある住職さんで、私が若い時分からご薫陶いただいておりました。真意のほどがわからなくて、その年の年賀状は出しました。当然返信はありませんでした。次の年からは、年賀状や季節の挨拶などすべてなくなりました。今でいうところの終活の走りだったのでしょう。

 現在では遺言書の準備や遺産相続の手続き、希望する葬儀の内容の検討などに関する終活セミナーが催されるようになりました。昨今は「終活年賀状」も、見受けられます。「来年から年賀状の挨拶を辞退させていただきます」そんな一文を添えての年賀状終了宣言です。

 理由としては、高齢になったから、文字の読み書きが辛いなどという極めてまっとうなことが挙げられます。その他には、年賀状そのものには、形式的な要素も含まれますので、その手間を省きたい、義理だけの付き合いを整理しておきたいという思いもあるでしょう。いずれにしても、自らの終了宣言は、縁を切る、整理するということでしょう。

 どうして日本人はこんなにわきまえが良くなったのでしょうか。生きているうちから縁を切らなくても、やがて死んでしまえば、直接触れ合うことはできなくなります。慌てなくてもいいのです。自分で年賀状を出せないとしても、いただきっぱなしでもいいではないですか。相手は年賀状というささやかな縁でも、つながっていたいと思っているかもしれません。そういう縁は、死んでも切れることはありません。

 「あとは人 先は仏に任せておく おのが心のうちは極楽」良寛さんを看取った貞心尼の歌です。死んだ先のことは仏さまの領域です。死んだ後のことは、人にお願いするしかありません。自分では棺桶に入ることもできないのですから。すべて任せてしまえば、こんな楽なことはないのです。終活がまるでご縁の整理では、あまりにも寂しい人生です。せめてご縁に感謝するにはどうすべきかという「縁活」をしてみませんか。そうすればあなたの人生は円滑に運ぶことでしょう。

 ここでお知らせ致します。11月のカンボジア・エコー募金は、186回×3円で558円でした。ありがとうございました。ご縁に感謝致します。

 それでは又、12月21日よりお耳にかかりましょう。

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