テレホン法話
~3分間心のティータイム~

【第1106話】「お陰という木陰」 2018(平成30)年9月11日-20日

住職が語る法話を聴くことができます


 お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1106話です。

 「暑さ忘れて陰忘る」という諺があります。暑さが去ると、木陰のありがたみを忘れるということです。しかし、今年の夏の暑さは、酷暑・猛暑或いは、災害級の暑さとまで言われ、「忘れられない暑さ」になりました。更に、暑さの中で、文字通りの災害が頻発し、木陰すらも奪っていきました。

 みなさんは、三宅璃奈(りな)さんの名前を憶えていますか。小学4年の彼女は、登校中に地震に遭い、倒れた小学校のブロック塀の下敷きになり亡くなりました。6月18日の朝に大阪北部で発生した地震のときです。この時の震度は6弱でした。この事故を教訓に改めてブロック塀の点検が、全国的に行われることになりました。

 それからわずか半月後の、7月5日から8日にかけて、西日本豪雨が襲い、広範囲にわたって被害がもたらされました。死者は200人を超え、被害家屋は4万3千棟に及びます。この時に関りのあった台風はまだ7号でした。その後も台風と猛暑が入れ替わるように襲ってきました。

 そして、9月5日の台風は21号。観測史上最大という最大瞬間風速58.1メートルを関西空港で記録しました。車そのものが飛ばされたり、流されたタンカーが橋にぶつかるなどの衝撃的な事態を引き起こしました。日本の第2の玄関口である関西空港の機能を破壊したりして、都市機能をマヒさせたのです。

 被害ここに極まれりかと思った矢先、翌日の9月6日午前3時5分に、北海道胆振(いぶり)地方を震源とする震度7の地震が発生。海の津波ならぬ「山津波」のごとき土砂崩れをもたらし、30人を超える犠牲者が確認されています。また、北海道のほぼ全域が一時停電するという想定外の出来事は、市民生活や経済活動に大きな影響を与えました。

 昔なら、年に一度起きるどうかというような災害が、今は日常的にどこかで起きていると思わなければなりません。しかもそのどこかは、今いる自分のところであっても何ら不思議ではないのです。7年半前に東日本大震災を目の当たりにした時、どうして自分のところがこんな被害に遭わなければならないのかと、正直思いました。それは、災害というものを常に他人ごとに見ていたからです。

 今は様々な被害状況を見聞きするにつけ、私たちもあのたいへんな時に、全国のみなさまから手を差し伸べていただいたのだと、改めて感謝の気持ちが湧いてきます。そして忘れられない暑さのように、東日本大震災のことも胸に刻み、みなさまからのお陰も決して忘れません。災害という影は、どこにでも漂っています。いざという時、お陰という木陰になれるよう常に心がけたいものです。

 ここでお知らせ致します。8月のカンボジア・エコー募金は、184回×3円で552円でした。ありがとうございました。

 それでは又、9月21日よりお耳にかかりましょう。

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