テレホン法話
~3分間心のティータイム~
【第1180話】「敷居が高い」 2020(令和2)年10月1日~10日
住職が語る法話を聴くことができます
お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1180話です。
「人一倍がんばる」という時、人よりもがんばるのなら、「人二倍」となぜ言わないのでしょう。実は「一倍」という言葉は、今から1300年前は2倍の意味で使われたそうです。倍という字は、背く、二つに離れるという意味があり、両断すればその数は倍になり、一倍でも2倍の意味と考えられていたとか。何気なく使っている言葉にも、そんな古い言い方が残っていることに驚きです。
さて文化庁が発表した2019年度の「国語に関する世論調査」によると、「国語が乱れている」と感じる人は、20年前と比べて、20パーセント程減っています。その理由のトップは「言葉は時代によって変わるものだ」ということでした。スマートフォンなどの普及により、文章を発信する機会が増え、多様な表現に触れやすくなりました。そのため、辞書に載っている本来の意味と違っても、寛容に受け止める人が増えているからだろうという見方もあるようです。
しかし、自らを省みても、日本語に対する素養のなさとからくる、自分勝手な思い込みのせいではないでしょうか。たとえば「敷居が高い」という言い方を、「高級過ぎたり、上品過ぎたりしていて、入りにくい」という意味で使う人は、56.4パーセントもいます。何を隠そう、私もその中の一人でした。本来の意味は「相手に不義理などしてしまい、行きにくい」ということです。
確かにこれまで何人もの檀家さんに「お寺は敷居が高くて、上がったことがなかった」などと言われたことがあります。その度「決して偉そうに構えていませんから、いつでもお出で下さい」という言い訳をしていました。でも本来の意味は、敷居の側の問題ではなく、訪れる方の問題なのですね。
現実にお寺の敷居を高く感じるのは、寺にも何がしかの責任はあるでしょう。同時に檀家さんも「相手に不義理」つまり「ご先祖様の供養を疎かにしていないか」を反省する機会なのではないでしょうか。常にお参りをしている人は、気楽に本堂に上がり、お賽銭を入れて焼香していかれます。敷居(しきい)など意識(いしき)していないかのようです。
建物の構造上、お寺の敷居をこれ以上低くはできません。もっとも「敷居が高い」の反対語は、「敷居が低い」ではなく、「垣根が低い」という言い方でなければなりません。徳本寺では、人一倍気を遣って、垣根を取り払っています。みなさまから「垣根がなくて粋ね」と言ってお参りいただけるよう努めております。
その証として、10月25日(日)午後2時より、第14回テレホン法話ライブを開催いたします。ゲストはすこっぷ三味線の若葉舞さんです。入場無料です。コロナ感染防止のため、受付にて検温や手指消毒、会場内の空気清浄機作動などの対応は致しますが、マスク着用にてご参加ください。
それでは又、10月11日よりお耳にかかりましょう。
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