仏事を説示

戒 名(かいみょう)

 大震災の陰になり忘れられた出来事もたくさんあります。震災前日の3月10日に、コメディアンの坂上二郎さんが76歳で亡くなりました。戒名は慈照院和道法郎居士(じしょういんわどうほうろうこじ)です。゜名は体を表す゜ではありませんが、二郎さんを彷彿とさせる戒名です。
 今回は「戒名」についてのお話です。

問 戒名とは死んだ人の名前ですか。
答 本来は生前に、受戒(じゅかい)して仏弟子になった証(あかし)に授けられる名前だから戒名と言います。
問 受戒とはどういうことですか。
答 戒とは梵語(ぼんご)(インドの古い言葉)でシーラといい、悪を排し善を勧める捉の意味があります。仏教に帰依した人が守るべき規則ともいえます。それを守るというお誓いが受戒です。
問 戒はどういうときに授かるのですか。
答 戒を保つことによって仏教徒として自覚ある生き方ができます。その戒を受けるためには、「授戒会(じゅかいえ)」という法要に参加して修行すると授けていただけます。
問 それって、たいへんそうですね。
答 確かに大掛かりな法要で5〜7日間に亘って行われます。大本山では毎年ありますが、一般の寺院では機縁が熟さないとできません。
問 授戒の修行をしないと、仏の教えに目覚める機会も得られないことになりますね。 
答 授戒会に参加する縁は多くなくとも、日頃から、仏さまや先祖さまに手を合わせていると、自然に仏の教えに沿った生き方につながりますよ。
問 そういう生き方をしたと、葬儀の時に証明されて、戒名を授かるのですか。
答 生前、授戒会で修行できなかったとしても、普段の行いは仏さまのようであったということを踏まえて、葬儀の時に、仏教徒として基本的な十六条の戒法を授け、亡き人にしっかりと受けていただきます。同寺に戒法に照らし合わせてその人の生き方が、まさに仏さまに通じるものであるという意味合いの文字を入れて、戒名も授けられるのです。
問 そこで初めて、仏さまの弟子となるのですね。
答 仏さまであるお釈迦さまにかわって、住職より授けられます。仏弟子の証明書ともいえる「血脈(けちみゃく)」も授与されますが、それには代々の仏さまの名前が記され、一番新しいその亡き人の戒名もそこに加えられます。
問 戒名には、長さや色々種類がありそうですが、それを教えて下さい。
答 宗派によって、戒名のつけ方には違いがあります。曹洞宗の一般的な戒名ということでご理解下さい。
 下の2文字は「 位号
。信心の深さや年齢で異なります。男性は「居士(こじ)」「信士(しんじ)」。女性は「大姉(だいし)」「信女(しんにょ)」。15歳未満は「童子(どうじ)」「童女(どうにょ)」。幼な子は「孩子(がいじ)」「孩女(がいにょ)」。乳のみ子は「嬰子(えいじ)」「嬰女(えいにょ)」となります。
 そして、本来の戒名としての名前の部分は「 法号」の2文字になります。近年は、俗名から1文字用いることも多いようです。
 次に「 道号」は、芸術家などが本名のほかに付ける号・字(あざな)にあたるものです。
 更に「 院号」は、その昔の篤信者が、自ら建立した寺院の名をそのまま用い、何々院としたのが起源。それほど大きな存在の人ということの象徴でしょう。今なら、まさに世のため人のために尽くし、布施行の実践を明らめた人でしょうか。

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問 亡き人の戒名に日々、手を合わせるだけでも、仏の教えを学ぶことができそうですね。
答 ゛戒名は仏を表す゛ということです。

                            合掌

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