テレホン法話
~3分間心のティータイム~

【第1373話】「金色身」 2026(令和8)年2月11日~20日

住職が語る法話を聴くことができます


 お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1373話です。

 金(ゴールド)の価格が高騰しています。1グラム2万7千円を超えて、時間ごとに変動しています。先行きの見えない不安定な世界情勢の時には、安全資産として求められているようです。それほど金は希少で高価なものなのでしょう。

 昔ボランティアの縁で、タイ国を訪れたときに、あるお寺にお参りをした時のこと。たくさんの人が仏像に金箔を貼ってお参りしているのです。小さな金箔を買い求め、それを仏像にペタペタ貼っていきます。タイでは普通に行われていることだそうです。「タンブン」と言って徳を積む行いのひとつです。金という高価なものを布施するが如くに仏像に貼って、仏つまりお釈迦さまへの感謝と敬意の心を顕わすわけです。その功徳として、自分たちにも幸せが訪れますようにと願うのです。勿論仏像が金色に輝けば、その神聖さと美しさが、更に際立つ効果もあってのことでしょう。

 さて、2月15日はお釈迦さまがお亡くなりになった涅槃会です。本堂に涅槃図を掲げお釈迦さまの遺徳を偲びます。涅槃図には沙羅双樹の林の中で、涅槃に入られたお釈迦さまを囲むように、大勢の弟子たちや様々な鳥や動物たちまでが集まって、その死を嘆き悲しむ様が描かれています。頭を北に顔を西に向けて横たわっているお釈迦さまの身体は金色に輝いています。

 お釈迦さま最期の時は、激しい腹痛に見舞われました。その時福貴(プックサ)という弟子が、お釈迦さまとその弟子阿難に、金色の布を差し出しました。お釈迦さまはその布を敷き、福貴のために説法をされました。その後阿難が自分の布でお釈迦さまの身体を包まれると、得も言われぬ光が発せられました。阿難は25年間もお釈迦さまのおそばにいながら、このように輝かしい光を放つのを見たことがなく、不思議がりました。お釈迦さまは仰いました。「我が光、常に異なること2度あり。一(ひとつ)は道を成じたる時、一は涅槃に入らんとする時なり。汝当に知るべし。我今日の夜半、当に涅槃に入るべきなり」。お釈迦さまが光を発するのは、初めて悟りを得て成道されて仏陀となった時と、この世の寿命が尽きて涅槃に入られる時ということです。依って涅槃図に描かれているお釈迦さまは金色に輝いているのです。

 お釈迦さまは無上尊つまりこの上なく尊い方と尊称されます。それを具現化する時、金色身・金色のお姿というのは誰しも納得するところです。それにしても不安な時の金(ゴールド)頼みに走りすぎて、金色に目が眩んで人生のコールドゲームセットにならないようにしましょう。それには常に金色に目を馴染ませるべく、不安な時もそうでない時も、心の平安を保つべく、金色身のお釈迦さまに手を合わせることです。

 ここでお知らせいたします。1月のカンボジアエコー募金は、1,060回×3円で3,180円でした。ありがとうございました。
 
 それでは又、2月21日よりお耳にかかりましょう。



涅槃図

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