法話 〜3分間心のティータイム〜イメージ

【第1099話】 「一心本尊の光」 2018(平成30)年7月1日-10日

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1099.JPG お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1099話です。

 東日本大震災前にここ山元町に住んでいたヒロ子さんは、被災して転居を余儀なくされました。2カ所3カ所と転居して、現在は栃木県にお住まいです。しかし、最初の転居先で、病床に伏していた檀那さんに先立たれます。慣れない土地での病院通い、今後のことを含めて、山元町との連絡手続きなど、最初の2年間は無我夢中で暮らしたそうです。

 少し落ち着いたころ、山元町の友人から、津波で流された私のもう一つの住職地徳泉寺のことを聞きます。はがき一文字写経での徳泉寺復興を知るや、連絡をくださいました。そして、知り合いの方にもはがき一文字写経を勧めてくださいました。山元町に対する懐かしさと、被災地を離れても何か役に立ちたいという願いを、持ち続けておられたようです。その願いは更に、震災で亡くなられた方に、ご供養の想いを届けたいというふうにつながります。

 そして先月、わざわざ栃木県から徳本寺にお出で下いました。徳本寺には、津波で本堂は流されたものの、無事発見された徳泉寺の一心本尊様が仮安置されています。その前で、震災犠牲者に対して、供養の一座を設けられました。一心に折ってこられた千羽鶴もお供えして、手を合わせられ、「これで安心しました。亡くなった方に思いが届くでしょう」と、おっしゃっていました。

 また、仙台市にお住いの恵さんも、はがき一文字写経を何度も寄せてくださいました。写経ははがきで送られてくるのですが、恵さん自身は度々電車に乗って、一心本尊様に手を合わせにお出でになります。良い香りのお線香を持参して、お経を唱え、それこそ一心に拝んでいかれます。日常の暮らしの中で、ふと一心本尊様のお姿が浮かぶことがあるそうです。

 そして先日は次のようなお歌を残していかれました。「御仏の御手に包まる蓮の花 溢れし後光 四方(よも)に放ちぬ」目映いばかりの光線が四方に放たれた光景が目に飛び込んできて、ただありがたく合掌をしていると、そこに一心本尊様が現われたというのです。一心本尊様を大いなる力、盤石の守り、強靭な御姿と称えるのです。

 確かに、一心本尊様はあの災難を逃れた奇跡の本尊様と言ってもいいでしょう。どんな困難に遭おうとも、みなさまの心の支えになる一心で踏み止まったと信じて、「一心本尊」と名付けました。その本尊様が早く本堂に安置されることを願って、ヒロ子さんや恵さんのように遠くからも、はがき一文字写経を届けるだけでなく、実際に手を合わせにお出で下さるとは、「一心本尊」という名前の功徳でしょうか。その光は四方八方遥か彼方にも、届いていることを確信いたしました。おそらく来年の今頃は、一新した本堂で一心本尊様が、どんなに遠くの方をも、心からお迎えすることでしょう。

 ここでお願いです。徳泉寺復興まで、あと一歩となりました。「はがき一文字写経」発願の方は、電話0223-38-0320までお申し込みください。ホームページからの場合はこちらをご覧ください。

 それでは又、7月11日よりお耳にかかりましょう。

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