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【第1096話】 「出過ぎた杭は」 2018(平成30)年6月1日-10日

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1096.jpg お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1096話です。

 「出る杭は打たれる」という諺に対して、「出過ぎた杭は打たれない」と言った人がいます。「出る杭」とは、目立った言動や余計なことすることのたとえです。なるほど、少しばかり出ている杭なら、邪魔だとばかりに打たれて沈められます。ところが、あまりに高く出過ぎた杭は、打つのもたいへんで、周りも諦めたり呆れたりして、打つことを止めてしまうということでしょうか。

 今のわが国を揺るがしているのは、嘘という「出る杭」です。森友学園・加計(かけ)学園問題で、政権や官僚の国会答弁に沿うようにと、様々な嘘を重ねています。ここまで嘘を言い張れば、みんな諦めて真実の追及もしなくなるだろう。まさに出過ぎた杭なら打たれないと言わんばかりです。

 ここ1-2年の間に、忖度しなければならないエライ人の答弁に合わせて、公文書を改ざんする、廃棄するという犯罪にも等しいことが、平気で行われてきました。「記憶の限りでは会った覚えがない」などと、あくまでも自分とは別に、「記憶という人物」でもいるかのように、記憶に嘘をつかせる姑息な保身術を駆使する始末。

 これだけ出過ぎた杭を毎日見せられて、世の中がおかしくならないわけがありません。そう思っていたら、日本大学のアメリカンフットボールの悪質タックル問題が勃発しました。関西学院大学との定期戦で、日大の選手がする必要のない悪質なタックルをして関学大の選手を負傷させました。このことが、スポーツ選手にあるまじき卑劣な行為として大きな問題になっています。

 それを受けて、当該の日大選手が単独記者会見を行い、謝罪をして真相を語りました。試合前の監督・コーチから受けたプレッシャーにより、「試合に出してやるから相手の選手を潰してこい」という指導をそのまま実行したということでした。一方、監督・コーチは、厳しい練習や叱責で選手を追い込んだことは認めても、反則や傷害を指示したつもりはないと言います。あくまで指導者と指導を受ける側の認識の乖離(かいり)があったという見解です。

 言った言わない指導を誤解していると、大人は出た杭をもっと出してしまおうとしています。永田町の出過ぎた杭に倣っているかのような姿勢です。加害者とはいえ、まだ20歳の選手は「少し考えれば、やったことは間違っていると前もって判断ができた。自分の意思に反することは、フットボールにかかわらず、するべきじゃないと思います」と潔く言いました。永田町も大学も自分の意思に反する杭を出しすぎるのは如何なものですか。「出過ぎた杭は打たれないが、引っこ抜かれる」というのが最近の諺です。

 ここでお知らせ致します。10年間のテレホン法話ライブを紙上再現した『月を流さず―和尚の語り草―』が出版されました。電話ではお伝え出来ない法話に因んだ写真も掲載された読みやすい本です。定価1500円。ご希望の方は徳本寺までお申し込みください。電話0223-38-0320です。ホームページからの場合はこちらをご覧ください。


 それでは又、6月11日よりお耳にかかりましょう。

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