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【第1078話】 「終活」 2017(平成29)年12月1日-10日

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1078.jpg お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1078話です。

 昔「シュウカツ」といえば「就職活動」のことでしたが、現在は「終末活動」を指す「終活」が話題になっています。人生の終末を迎えるにあたり、葬儀や相続の準備を整えておきましょうというものです。

 先日お檀家のKさんのお母さんが亡くなって、枕経にお伺いした時のことです。その遺品の中にあったお母さんのご実家のご先祖さんにまつわるもを見せていただきました。家系図と1冊の帳面です。ご実家は徳本寺を開かれた大條公に仕えた家老職でした。お母さんの親は11代目に当たります。そして10代目、つまりお母さんの祖父に当たる方が、安政6年生まれで大正13年に亡くなっています。

 帳面はその祖父が亡くなる前に書いたものです。当然筆で認められています。自分がもしもの時にどういう人に知らせるかという、その名前が列記されているのです。手紙で知らせる人と電報で知らせる人に区別されています。亡くなったということを、誰に知らせるかというのは、大事なことです。亡くなった本人しかわからないお付き合いの方もいます。そういった方にも失礼があっては困るわけです。そこで生前にきちんと示しておくことは、立派な終活です。

 更には辞世の句まで残されていました。「苦も楽も亡き身となりし 我が魂(たま)は 乃ちの栄を弥陀に祈らん」。魂はたましいのことで、弥陀は阿弥陀仏を指すのでしょう。苦楽を超えて何らこだわりもなくなったこの私、今はただ、後の世を生きる親族はじめ人々が栄えますようにと阿弥陀様に祈りましょう、というような心境でしょうか。さすが江戸生まれの武士の血を引く方の覚悟のほどが伺われます。

 覚悟とはお悟りを開くということでもあります。お釈迦さまは6年間の難行苦行に納得できず、山を下り菩提樹の下で一週間坐禅三昧を続けられ、12月8日の明けの明星をご覧になり、お悟りを開かれました。それは解脱ともいいます。かたよったり、こだわったりする心から解き放たれることです。

 私たちは自分の命が一番大事です。そこに囚われて心が縛られてしまいます。紹介した辞世の句のように、生きることにも死ぬことにも一切のこだわりがなく、それでいて自分以外のすべての人の幸せを願うという覚悟、そんな自分で自分を解放できる終活をしましょう。老いて誰かに介抱される事態が訪れる前に・・・。

 ここでお知らせ致します。10年間のテレホン法話ライブを紙上再現した『月を流さず―和尚の語り草―』が出版されました。電話ではお伝え出来ない法話に因んだ写真も掲載された読みやすい本です。定価1500円。ご希望の方は徳本寺までお申し込みください。電話0223-38-0320です。ホームページからの場合はこちらをご覧ください。


 それでは又、12月11日よりお耳にかかりましょう。

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