法話 〜3分間心のティータイム〜イメージ

【第1052話】 「一心地蔵」 2017(平成29)年3月11日-20日

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1052_1.jpg お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1052話です。

 「代受苦」という言葉をご存じでしょうか。災難に遭った人の苦しみを身代わりとなって引き受けるということです。たとえば「身代わり地蔵」のことです。昔からお地蔵さまはいたる所に祀られ、人々から親しまれ、拝まれてきました。それは苦しみから救ってくれると信じられてきたからでしょう。

 お釈迦さまが亡くなって、56億7千万年後に未来仏の弥勒菩薩さまが現れると言われています。その間、人々と共にいて、衆生救済に力を尽くす菩薩が、お地蔵さまなのです。お釈迦さまが亡くなってまだ、2500年しか経っていません。弥勒菩薩さまが現れるまで、56億6999万7500年もあるのです。その果てしない時間を考えれば、私たちは未来永劫に亘って、どんな仏さまよりも、お地蔵さまに一番お世話になるわけです。その有り難いお地蔵さまが、この度76体も奉納されました。

 私が住職をするもう一つの寺、徳泉寺は、東日本大震災の大津波で本堂が流されました。しかし、本尊さまは奇跡的に無事発見され、みなさまの心の支えになる一心で踏み止まったということで「一心本尊」と名づけられました。そしてその本尊さまを安置する本堂再建の為、はがきに一文字写経をしていただき、納経料を納めていただく呼びかけを行っています。その活動をずっと支えていただいている奈良県の真言宗・転法輪寺様の檀信徒の方々が、焼き物の地蔵さまを一人ひとり手作りされました。6センチほどの両手を合わせた可愛らしいお地蔵さんです。「被災地のことを忘れないように」ということで、銘々に2体ずつ作り、ひとつはご自分も持っているということです。

 そして「舎利礼文」というお経の72の経文と4文字の題目を、1体に1文字ずつお地蔵さまの背中に写経して下さいました。「一心本尊」に因んで、「一心地蔵」と名付けられた76体のお地蔵さまが、3月5日の復興祈願法要に合わせて、届けられました。法要の折、みなさまにご披露して、お地蔵さまに魂を入れる「御真入れ」という供養を行いました。徳泉寺復興の暁には、「はがき一文字写経」と一緒に本堂内に安置して、みなさまに拝んでいただきます。

 お地蔵さまを讃嘆する呪文である地蔵真言は、「オン カーカー カビサンマエ ソワカ」で、「類まれな尊いお地蔵さま」ということです。ここで「カーカー」は、「呵呵大笑」の「呵呵」に通じ、笑うということです。更には「カカさま」という母の呼び名の元になっているという説があります。大震災という苦しみを、お地蔵さまが身代りとなって受けて下さり、私たちに笑顔をとり戻してほしいという願いが、この度の「一心地蔵」さまにも込められていることでしょう。これからは一心に復興に向かう地蔵として手を合わせていきます。必ずや母親の懐に抱かれるような安らぎの日々が訪れると信じて。

 ここでお知らせ致します。2月のカンボジア・エコー募金は、180回×3円で540円でした。ありがとうございました。

 それでは又、3月21日よりお耳にかかりましょう。

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