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【第1041話】 「紅葉マーク」 2016(平成28)年11月21日-30日

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1041.JPG お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1041話です。

 車の運転で初心者マークを通称「若葉マーク」、それに対して高齢者マークを「紅葉マーク」と呼んでいます。70歳以上の高齢運転者は、普通自動車の前と後ろの定められた位置に付けることを勧められます。齢とともに身体機能が低下して、運転に影響をおよぼすおそれがあるからということです。しかしこれは、運転者同士での注意を促したものでしょう。高齢者マークの車に対して無理な割り込みなどをすれば、道路交通法違反になります。

 一方、歩行者にとって高齢者マークは、ほとんど役に立たないでしょう。走っている車のマークのあるなしを見分けるのもたいへんです。見分けられたとして、それを避けるように歩くことは不可能に近いことです。しかし、今年になって頻繁に高齢者による重大な交通事故が起きています。10月28日横浜市で小学生の列に87歳男性の軽トラックが突っ込み、7人が死傷しました。今月は3日連続で発生しています。10日栃木県下野(しもつけ)市の病院で84歳男性の乗用車がバス停に突っ込み、3人死傷。11日東京都板橋区のコンビニに86歳男性の乗用車が突っ込み、客2人が軽傷。12日東京都立川市の医療センター敷地内で83歳女性の乗用車が暴走し、2人はねられ死亡しています。

 それぞれの事故において、運転者は日常の生活を営むために車を活用していたことでしょう。大都会のように交通機関が発達しているところはともかく、田舎ほど車はなくてはならないものです。しかも齢をとればとるほど、足腰が弱ってきて、車に頼りたくなります。そして、加齢とともに身体機能が低下することも事実です。ちょっとした判断ミスが、大きな事故につながるおそれがあります。「あわてるな 昔はみんな 歩いてた」というような気持で、毎日を送ることができればいいのですが、車社会にどっぷりと浸かってしまった現代では、現実的ではありません。

 それなら高齢運転者こそ、心に「若葉マーク」を付けたほうがいいかもしれません。齢をとるごとに、今まで出来たことが出来なくなり、「こんなはずではなかった」と思うことが多くなります。そういう状況を身体的には初めて経験する初心者なんだ、という覚悟を示す意味での若葉マークです。初めてハンドルを握った時の不安と緊張を思い起こせば、より慎重な判断力で運転ができます。車の運転は、行動範囲が広がり生活を豊かにします。齢をとっても自分の命を楽しむことができます。

 「落葉なほ 命たのしみ 風と舞う」新聞に紹介されていた俳句です。枯葉が木の枝から離れても、地面に落ちるまでは、風と踊るかのようにして、最後まで我が命を楽しんでいるという風景でしょう。「紅葉マーク」が命を楽しんでいるように映るといいのですが・・・。

 それでは又、12月1日よりお耳にかかりましょう。

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