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【第1014話】 「旧暦」 2016(平成28)年2月21日-29日

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1014.JPG お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1014話です。

 歌手のさとう宗幸さんから、毎年2回年賀状がきます。普通に1月1日の元旦にいただき、2月の初め頃にも届きます。いわゆる旧正月に合わせたものです。1月1日に「新春を寿ぎ・・・」などと言われても、その後に二十四節気の小寒も大寒もやって来るのですから、気候の感覚からすれば、春とは言い難いでしょう。その点、旧正月はたいてい立春の後にやって来ます。まさに「新春」です。

 太陽を基準に時間を決めている太陽暦と、月を基準にしている太陰暦の違いが、ふたつの正月を生んでいます。太陽暦は、地球が太陽を365日(正確には365.2422日)かけて1周する時間を1年と定めています。それを12で割って、1カ月が30-31日となります。太陰暦は月が満月から満月になる周期の29.53日を1カ月とします。ですから3日は三日月、15日は満月が出ることになります。ただ1年にすると、365日に11日足りなくなり、暦は毎年11日ずつ季節から外れていきます。そのため、数年に一度、閏月を加えて1年を13カ月にして、暦と季節がずれないように調整しています。夏とか冬は太陽と地球の位置関係で決まるので、より適した季節感での生活には、両方の暦があると便利です。

 今年の旧正月は2月8日でした。徳本寺の境内の梅が咲いていました。いつもよりだいぶ早い感じがしましたが、まるで正月に合わせてくれたようでした。「春」は木の根や枝が広がり張っていく「張る」に通じると言われます。草木や生命の芽生えを象徴しています。

 さて、2月15日はお釈迦さまが亡くなった日ですが、実際は月を基準にした暦です。よって満月の夜と伝えられています。「どうして2月に入滅なさるのですか」という問いに対して、お釈迦さまは、「2月は陽春で万物が生長する。そのため人々は、世界は常に変わらず不滅であるとの思いに陥りやすい。この時季こそ、万物は無常であり、釈迦如来の存在だけが変わらないものであることを説くのに適するからである」と、おっしゃいました。今年の旧暦2月15日は、3月23日に巡ってきます。お彼岸明けの日です。「暑さ寒さも彼岸まで」まさに陽春といっていいでしょう。

 実生活における太陽暦の利便性は論を待たないところです。しかし、日にちという数字だけで季節を感じるのではなく、自分の眼で肌で感じることも忘れたくありません。パソコンや携帯だけの情報で、すべてを体験したような思いに陥っている現代人に、月を眺めるゆとりこそが、今こそ必要です。数字は人間の都合の産物です。数字に囚われて、季節を先取りして一儲けしようなどと思わずに、春には春を謳歌しましょう。無常の世なれば、慌てずとも季節は移ろいます。さとう宗幸さんも「青葉城恋唄」で歌っています。「季節(とき)はめぐり また夏が来て・・・」と。

 ここでお知らせ致します。3月6日(日)午後2時 徳本寺に於いて、東日本大震災復興祈願法要を行います。江戸時代から伝わる大般若経で復興を祈願します。りんごラジオ局長高橋厚さんのトークショーもあります。是非ご参加下さい。

 それでは又、3月1日よりお耳にかかりましょう。

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