法話 〜3分間心のティータイム〜イメージ

【第1000話】 「千話一話」 2015(平成27)年10月1日-10日

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1000kinen.jpg お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第1000話です。
「ゼロから一までの距離は、一から千までの距離より遠い」という格言があります。何かを続けようと思っても、先ず始めなければなりません。始めるまでには、迷いためらいがあって、時間がかかることもあります。軽い決心はすぐにつきますが、重い決心は簡単にできるものではありません。その意味では、私はこのテレホン法話を軽い決心で始めてしまいました。今回1000話を迎えましたが、決心が軽かった分、東日本大震災を超えての千話への道のりは遠く感じました。

 昭和62年12月、師匠である徳本寺24世即心文英大和尚より、「明日から私に代わってテレホン法話をやってみなさい」と言われました。それは突然のことでした。迷う暇もなく、何とかなるだろうという軽い気持ちで始めたのが、28年前のことです。以来10日毎に話題を更新して、3分間のテレホン法話を継続してきました。

 勿論最初から千話を目指すなどという重い決心はないので、目の前の一話しか見えていません。何回分かをためておくという余力もありません。毎回締め切りに追われ、綱渡りの連続です。辛うじて足を踏み外さず続けられたのは、毎回必ずどなたかが聴いて下さっているという事実のおかげです。改めて感謝申し上げます。

 そして、500話を過ぎたあたりからでしょうか、私にとってテレホン法話は生活習慣病のようなものに思えてきました。締切が近くなれば、話題を捜し血圧が上がったり、原稿をうまくまとめられずに血糖値が上がったり、時間内に話を納められずコレステロールが増えたりという風に・・・。身体によくないと言われる生活習慣ほど、止められず、頼まれもしないのに続けることができます。テレホン法話も同じように、止められずに来てしまいました。

 「初発心時便成正覺(しょほっしんじべんじょうしょうがく)〔初発心の時、便(すなわ)ち正覚を成(じょう)ず〕」という禅語があります。発心とは悟りを開こうと決心して志を立てること、正覚は正しい悟りを言います。最初にしっかり発心していれば、もう悟りを開いたも同じことであるという意味でしょうか。まさにゼロから一までの距離をしっかり納得できていれば、その先が千まであろうとも、ある程度の努力で進んで行けるということです。その意味では、私たちは東日本大震災からも、何としても復興するぞと発心をして、一までの距離を歩んできました。これからは、の否、の復興まで更に歩き続けるだけです。

 このテレホン法話は師匠が発心を与えてくれたようなものです。続けていくことが、みなさんのお役に立ち、私のためにもなるはずだという確信があったのでしょう。奇しくも師匠の17回忌に当たる10月11日を前に、千話を迎えられて、初発心の有り難さを感じています。でも師匠はこう言うかもしれません。「『千話』だからと言って、それが『正覚』なんかじゃありゃせんわ」と。今後も一話毎の初発心を続けるのみです。

 ここでお知らせ致します。テレホン法話の千話を記念して、テレホン法話集『千話一話―3.11その先へ』(定価千円)が発売されました。書店もしくは徳本寺でお求めください。徳本寺にはFAXにてお申込みください。0223-38-1495です。
それでは又、10月11日よりお耳にかかりましょう。

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