法話 〜3分間心のティータイム〜イメージ

【第997話】 「偶然」 2015(平成27)年9月1日-10日

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997.jpg  お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第997話です。

 21世紀に入って最初の世界的な出来事と言ってもいいかも知れません。2001年9月11日に起きた「アメリカ同時多発テロ事件」です。アメリカで4機の航空機が同時にハイジャックされ、ニューヨーク世界貿易センターの超高層ビルやアメリカ国防総省本庁舎などに衝突墜落するという、まさに衝撃的な事件でした。航空機の乗客は勿論、ビルにいた人など、3千を超える人が犠牲になりました。発生時刻は午前8時46分でした。

 それから10年後の2011年3月11日、世界中の誰もが想定外と思った「東日本大震災」が発生しました。その時刻は午後2時46分でした。このふたつの大惨事は、年は隔たっていますが日にちは同じ11日で、月は6カ月違いで、時間は6時間違いです。どちらも「46分」という時刻に発生しています。

 忘れてはいけないもうひとつの大惨事に、「阪神淡路大震災」があります。もう20年も経ってしまいましたが、1995年1月17日のことでした。発生時刻は午前5時46分です。発生間もないころ私もボランティアで現地に入りました。とある高等学校の校舎の時計が、その時間を指して止まったままになっていたのが忘れられません。

 3つの大惨事に共通しているのは「46分」という時刻です。勿論そこに何の因果関係もないでしょう。もし因果関係があれば、誰かが予測をしているでしょう。そして警告を発していれば、大惨事と言われるまでには至らなかったかもしれません。しかし、そうではありませんでした。全くの偶然なのでしょうが、何かあるのではと思いたくなるほどです。

 そういえば、昔読んだアメリカの大統領を巡る偶然に驚いたことがあります。リンカーンが大統領に選ばれたのは1860年、ケネディは1960年でちょうど100年違います。ふたりの大統領とも暗殺されていますが、それぞれの犯人の生まれも100年違いです。そして、リンカーンの秘書の名前はケネディ、ケネディの秘書の名前はリンカーンだったそうです。どちらの秘書も暗殺されるようなところに行かないよう、大統領に進言していました。しかし残念な結果になったのです。リンカーンは劇場で撃たれ、犯人は倉庫に逃げ込みました。ケネディは倉庫から撃たれ、犯人は劇場に逃げました。嘘のような偶然としか言いようがありません。

 「昨日と今日は偶然並んでいただけでした。今日と明日は突然並んでいるのでした。だから明日の無い時もあるのです」これは飛行機事故で亡くなった坂本九さんに向けた永六輔さんの言葉です。偶然を信ずるも気にするも、すべてのことは突然にやって来るという覚悟が必要です。その覚悟とは、偶然起きたように思えるかもしれない出来事を、決して忘れないということでしょう。

 それでは又、9月11日よりお耳にかかりましょう。

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