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【第995話】 「ご先祖信仰」 2015(平成27)年8月11日-20日

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 お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第995話です。

 「神や仏を信じますか」という朝日新聞のアンケートがありました。それによると、「はい」と答えた人は58%で、「いいえ」は42%でした。信仰している宗教のあるなしの問いには、「ある」が16%のみで、「ない」は82%もありました。苦しい時の神頼みという感覚と、純然たる信仰心とは違うものでしょうが、日本社会の宗教に対する正直な一面が表われているような気がします。

 先日あるお葬儀でお孫さんが「お別れの言葉」を述べました。「おばちゃん今までありがとうございました。僕は30歳になりました。仕事も楽しくやっています。妻との語らいも楽しいひとときです。娘と遊ぶ時間もとても楽しみです。毎日がこんなに幸せなのは、すべておばちゃんが、僕のお母さんを生んでくれたからです。おばちゃんがお母さんを生んでいなかったら、僕も生まれていません。そしてこんな楽しい思いをすることもなかったでしょう。だから、ほんとうにおばちゃんに感謝しています。おばちゃんありがとう」。生まれてから30年間、彼がどのようにお母さんに育てられ、おばちゃんに手をかけてもらったかが、目に浮かぶような素直さに溢れた言葉でした。

 この青年が神や仏を信じているかどうかは分かりません。でも母親にそのまた母親に感謝する気持ちは、十二分に感じられます。アンケートで「神や仏を信じる」と答えた人に、「どんな時にそれを意識するか」ということについても尋ねています。一番多かったのは、「幸せに感謝する時」という答えでした。一方「信じない」理由の一番は、「科学的でない」でした。「幸せ」も「感謝」も、科学的とは言えない心の働きです。その形や量を示すことはできないのですが・・・。

 生まれてから此の方、出会った人、体験したこと、読んだ書物など、全人生をかけて感じる心持ちの中に、「幸せ」や「感謝」という思いが培われるのではないでしょうか。即ち私という存在は、自分以外の様々なおかげによってあるのだということを自覚できた時、信仰の一歩を踏み出しています。自分に一番近い「おかげ」として、「両親」や「祖父母」の存在が挙げられます。つまりご先祖さまのおかげで、今こうしてこの世に生を享けて、自分なりの人生を歩んでいると思ったとき、どなたも素直にご先祖さまに手を合わせていることでしょう。それも立派な信仰です。

 お盆はご先祖さまという仏さまに手を合わせようと、国民総出で西に東に移動します。日本社会は十分に信仰心が篤い国です。ただそれを意識させない宗教家と意識しようとしない国民がいるだけです。

 ここでお知らせ致します。7月のカンボジア・エコー募金は、92回×3円で276円でした。ありがとうございました。

 それでは又、8月21日よりお耳にかかりましょう。

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