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【第991話】 「美空ひばり27回忌」 2015(平成27)年7月1日-10日

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 お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第991話です。

 1周忌3回忌などの法事を年回忌供養といいます。徳本寺に限った統計ですが、1周忌3回忌は8割以上の方が行っています。そして年々減っていきますが、一番忘れられるのは27回忌、その次が23回忌です。2割台から3割台になります。33回忌になると少し盛り返します。33回忌はどこでも大きな供養の節目と捉えているようです。

 さて、6月24日は美空ひばりさんの27回忌でした。彼女は「昭和の歌姫」と言われましたが、その時代の終わりを見届け、平成元年に52歳で亡くなっています。毎年のことではありますが、命日近くになると、テレビなどで特集番組が組まれ、偉大な足跡にスポットが当てられます。今年は27回忌ということで、一層大きく採り上げられたようです。これで、「27回忌」という年回忌供養もあるんだということを、日本中の人が再認識したとしたら、彼女は立派な布教師の役目も果たしています。

 彼女は亡くなる前の年の、昭和63年4月11日に、東京ドームで伝説の「不死鳥コンサート」を実現させています。その1年前の4月に大病を患い3カ月の入院を余儀なくされました。退院してからも体調は回復に至っていませんでした。それでもコンサートに対して並々ならぬ意欲を見せています。東京ドームに100メートルの花道を作り、そこを歩く姿をファンに見てもらいたいというのです。「歌のことは私に任せて下さい。ほかはすべてみなさんにお願いします」とコンサートの打ち合わせで宣言します。

 舞台に一番近い部屋を楽屋にして、簡易ベットが置いてあり、医者も控えています。外には救急車が待機しているという非常時態勢。楽屋を訪ねた浅丘ルリ子さんが「大丈夫」と聞くと、「大丈夫じゃないけど頑張るわ」と答えたと言います。大丈夫ではないけど、歌うことが私の命、生きることは歌うこと、その覚悟で臨んだ不死鳥コンサートだったのでしょう。しかし、残念ながらそれから1年2カ月後、ひばりという鳥は、見知らぬ世界へ飛び立ってしまいました。

 思えば、東日本大震災が起きた年は、美空ひばりの23回忌だったのです。彼女の命日には、横浜のお寺で供養が行われ、お墓には400人もの人が焼香に訪れたそうです。そして「23回忌メモリアルコンサート」が行われ、復興支援の一助を担ったのです。

 世間では一番関心が薄れる23回忌や27回忌でも、美空ひばりにとっては、その存在の大きさが注目される年回忌になっています。供養の眼目は忘れないということですが、誰もが美空ひばりのようにはいきません。せめて、ふとした時に思い出してもらえるような生き方をしたいものです。「そういえば亡くなった誰々さんは、美空ひばりの歌が好きだったな」などというように・・・。

 それでは又、7月11日よりお耳にかかりましょう。

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