法話 〜3分間心のティータイム〜イメージ

【第988話】 「太鼓判」 2015(平成27)年6月1日-10日

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 お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第988話です。

 大擂鼓(だいらいく)という太鼓の打ち方があります。特別な法要で主役たる住職を迎えるときなどに鳴らす太鼓のことです。最初は小さく、段々大きな音になり、まさに雷が鳴り響くように聞こえ、クライマックスを演出します。その大擂鼓の音と思いました。5月25日午後2時28分ごろに、埼玉県北部を震源とするマグニチュード5・5の強い地震が起きたときのことです。都心では10カ月ぶりに緊急地震速報が出され、多くの人が身構えました。

 私は横浜市鶴見区にある大本山總持寺におりました。紫雲臺という古い建物の部屋で、月例法話会の講師を勤めていました。建物の揺れを感じる前に、地鳴りのような音が聞こえました。あまりに近くに感じたので、地震とは思えず、何か法要があって大擂鼓が鳴っているのだろうと思ったのです。ほどなく揺れを感じたので地震と分かりました。100人を超える聴衆の方がいましたが、多少ざわつきはしたものの、立ち上がる人もなく何とか無事でした。

 実はその時の法話の内容は、東日本大震災に関することでした。話は後半に入り、「ひとつの心」という歌の動画DVDを観ていただいていた時です。「ひとつの心」は大震災の津波で流された兼務寺の徳泉寺本堂復興を願って、「はがき一文字写経」を展開していますが、そのイメージソングです。歌う尼さんことやなせななさんが歌って下さっています。本堂は流されたものの、本尊さまだけは奇跡的に発見されました。どんな災難に遭っても、人々の心の支えになろうとする一心で踏み止まったものと信じて、「一心本尊」と名付けられました。

 昨今は地震・津波そして火山など、いつどんな災難に遭うかわかりません。そんな時だからこそ、あの大災難に遭いながらも無事だった「一心本尊さま」を拝んで下さい。できれば災難に遭わないよう、遭っても被害が少なくて済むように願って、心した日々を過ごして下さいと、お参りの方にはお伝えしています。

 本山で地震に遭ったときは、ちょうどDVDに「一心本尊さま」が映し出されていました。少なくても私は「一心本尊さま」に祈りました。どうか大きな被害が出ませんようにと。結果その通りになったのですが、図らずも「一心本尊さま」の功徳を実際に示すことができました。

 それにしても「地震・雷・火事・親爺」の言い伝えは生きています。大擂鼓という太鼓で主役が登場するように、大きな地震のとき、雷のような地響きが先達となり、地震を連れてくるものだと改めて感じました。災難は忘れずにやってくると、常に身構えて祈り続ければ、難を逃れられると、「一心本尊さま」は太鼓判を捺して下さったかのようです。

 それでは又、6月11日よりお耳にかかりましょう。

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