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【第982話】 「平成の少年」 2015(平成27)年4月1日-10日

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 お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第982話です。

 年号が平成に替わる直前の昭和64年1月4日のこと、当時17歳の女子高生が40日間も監禁された上、火をつけるなどの暴行を受け死亡。遺体はドラム缶にコンクリート詰めされ捨てられるという事件が東京都足立区綾瀬でありました。犯人は18歳から16歳の少年4人でした。検察側は「人の仮面をかぶった鬼畜の所業」とまで断じました。しかし、犯人たちを幼児から知る地元の大人は「普通の子」だったと言っていました。

 この事件は暗い平成の幕開けだったのでしょうか。その後も少年による残虐な犯罪は絶えません。ここ数年殺人容疑で逮捕された未成年者は年間50人前後にのぼっているそうです。今年2月、川崎市の多摩川河川敷で、中学1年の上村遼太(うえむらりょうた)さん(13歳)が遺体で発見されました。犯人は18歳と17歳の少年3人です。2月20日午前2時ごろ、主犯格の18歳の少年は、上村さんを裸にして川に入れ、泳がせました。川から上がるとカッターナイフで切りつけるなどの暴行を加えました。17歳の少年は18歳の少年に脅され、上村さんに謝りながら切りつけたことを認めています。

 どんな理由があるにせよ、人の命を殺めていいはずがありません。いじめの傾向を見ていると、強い者に対する反抗ができなくて、いきおい弱い者にその矛先が向かっているようです。そしてすぐに激怒して、キレてしまいます。子どもたちの想像力や抑止力が育ちにくい平成という時代なのでしょうか。そんな時代に今一度お釈迦さまの言葉をかみしめて下さい。

 お釈迦さまは今から2500年前の4月8日に、ヒマラヤ山脈の麓の釈迦族の王子としてお生まれになりました。生まれてすぐに、東西南北に7歩歩かれ、右手で天を、左手で地を差して、「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」と言われました。この世界で自分より尊いものはないという意味です。「唯我独尊」を勘違いされては困りますが、自分だけが大事だから、自分の好き勝手にふるまっていいということではありません。それではまさに、想像力も抑止力もない少年と同じです。

 「自分が尊い」と私が思っているように、自分以外の人もそう思っているという想像力を働かせて下さい。即ちすべての存在と命がこの上なく尊いということです。お互いにたったひとつしかない命をどうして粗末にできるのですか。

 少年たちも確かに「普通の子」だったでしょう。姿かたちは違っても、みんなひとつの命をいただき、縁あって同じ時代に生きているのです。この奇跡のような存在を、有ることが難しいのに今こうして有るので「有り難い」というのです。普通に想像できれば、感謝こそすれ、すぐキレるような癇癪はなくなります。 

 それでは又、4月11日よりお耳にかかりましょう。

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