法話 〜3分間心のティータイム〜イメージ

【第973話】 「羊の如く」 2015(平成27)年1月1日-10日

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 お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第973話です。

  あけましておめでとうございます。

 お正月と言えば餅、餅と言えば鏡餅です。その丸い形は家庭円満を表し、一年をめでたく重ねる意味だそうです。更に先祖の御霊を表し、親餅の上に小餅を載せて子孫の繁栄を願うとも言われています。また、おせち料理も、縁起の良い食材で作られ、重箱に詰められ、めでたさを重ねる意味があります。その代表格の数の子にも、子孫繁栄を願う心が託されているようです。お正月は何事にも、めでたくあるようにという人々の思いが込められています。中でも子孫繁栄は一番に挙げられるのではないでしょうか。

 昨年暮れに政府が発表した、人口減対策と地方創生の方針となる「長期ビジョン」によれば、出生率を1.8まで引き上げることが「まず目指すべき水準」と明記し、2030年に達成するという想定になっています。そして、掲げる目標は「50年後に総人口1億人」で、それが確保されるための出生率は、「2040年に2.07」という仮定も示されました。これは「国としての持続性すら危うくなる」という紛れもない人口減に対する危機感の現れでしょう。

 我が山元町の昨年11月末現在の人口は、12,859人です。震災前の平成23年1月時点では、16,717人でしたので、3年10カ月の間に3,858人も減少したことになります。勿論震災で亡くなった方が633人も含まれていてのことですが、減少幅はかなりのものです。実は平成20年12月に出された山元町の人口推計データというのがあります。その時点で平成42年(2030)には、町の人口が12,899人になるといわれていました。約20年間でおよそ4,000人も減少してしまうという計算です。町としても何とかしなければと思っていた矢先に、東日本大震災が発生しました。震災は町の人口減少を、あっという間に20年も早めたという結果になりました。

 少子高齢化に加えて震災被害という暗雲漂う中にあっても、私たちは決してあきらめることなく、日々前を向き新しい年を迎えることができました。鏡餅も飾り、おせち料理もいただく中で、子孫繁栄を願うとは、先祖を大切にして、そのおかげに感謝することと同意義です。子孫である私たちは、やがて先祖になるのですから。幸い今年は、被災地山元町も、災害公営住宅の入居が本格化します。新市街地整備事業による分譲宅地の引き渡しも始まります。今年は未年ですが、羊は同じ行動をとって大勢で暮らすという習性があります。それにあやかるが如く、多くの人々により、新しい地域が結成され、輝く未来に前進できる予感がします。新年にあたり、群れが群れを呼ぶように、更なる新しい子孫が集えるような町になるよう願いましょう。「群れ」という字には「羊」という字が入っていますからね。

 それでは又、1月11日よりお耳にかかりましょう。

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