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【第972話】 「心の信号機」 2014(平成26)年12月21日-31日

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 お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第972話です。

 青葉や青野菜というときの、青は緑色です。日本語の表現には、緑をさす「青」があります。信号機の青も実際は緑です。その信号機ですが、かつては色のついたガラスのカバーを白熱球で光らせていました。日光が反射すると3色すべてが光って見えるため、事故を呼び起こすという課題がありました。

 LEDで今年のノーベル物理学賞を受賞した中村修二さんですが、そのLEDは当時勤務していた徳島県の化学メーカーと、地元の警察が交通事故防止につなげたいと開発したそうです。赤と緑のLEDはあったものの、青が欠けていました。平成5年に中村さんは青色の開発に成功しました。信号機にLEDを使えば、自らが青色や赤色で発光するので、認識の間違いが少なくなるという利点があるわけです。

 こうして徳島県警察本部前に、世界初のLEDで光る信号機が設置されました。20年前の平成6年のことです。これまで1度も交換することなく正常に稼働しているそうです。何より、徳島県警では毎年100機ずつ設置して効果を検証したところ、設置した交差点では、人身事故が25パーセントも減ったという結果が出ました。

 この物理学賞は、中村さんの他に赤崎勇さん・天野浩さんと、3人そろっての受賞です。選考委員長は「特に今年の賞は全人類に対して非常に大きな実用的意味のある発明だった」と、3人をたたえています。人類の生活向上に貢献した青色LEDの基礎研究から実用化まで、すべてを日本人が成し遂げたということは、文字通り、今年一番といっていいほどの明るい話題でした。

 さて、陰暦では毎月30日は月の出ない夜ですので、月が隠れるということで「月ごもり」といいます。それが「つごもり」となり、「晦日」という字で表されています。そして1年の終わりである12月31日は「大晦日」となるわけです。そして大晦日には、夜という闇は勿論、一年間漂っていた私たちの心の闇も除いてから、新年を迎えましょうということで、お寺では「除夜の鐘」を撞きます。

 心の闇とは煩悩のことです。あれも欲しいこれも欲しいという貪り、ちょっとしたことにも腹を立てる怒り、正しい判断ができず嘆くばかりの愚痴などをいいます。それらは自分勝手な我がままにより、自分の心の交通整理ができなくなっている状態です。煩悩の数と言われる108の除夜の鐘を聞きながら、新しい年にはきちんと煩悩の整理ができるよう、心に信号機を灯しましょう。例えば青色は「感謝」、黄色は「反省」、赤色は「自戒」でしょうか。その信号機はせっかくですから、ノーベル賞にあやかり、LED仕様にしましょう。どんな時も青色LEDがしっかり輝けば、即ち、人にもものにも感謝を忘れないことが、人類の生活を豊かにする第一歩です。新しい年には感謝の合掌をもって日々前に進みましょう。

 みなさま良いお年をお迎え下さい。それでは又、来年1月1日よりお耳にかかりましょう。

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