法話 〜3分間心のティータイム〜イメージ

【第896話】 「ご縁の連鎖」 2012(平成24)年11月11日-20日

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896_17.jpg お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第896話です。

 第三者が他人のパソコンをウイルス感染させ遠隔操作して、インターネット上で、犯罪を犯す人がいる時代です。今や瞬時に、どこへでも情報を発信でき、どこからでも情報を得ることができます。しかし、遠隔操作のように、便利と危険が表裏一体となっています。

 そのような世にあって、とてもゆったりとして、温かな人の想いの交換がありました。京都の本願寺で発行している秋彼岸の施本に、「歌う尼さん」こと奈良県の教恩寺住職やなせななさんが、法話を書きました。「いつか必ず会える〜東日本大震災によせて」というものです。彼女は首にも頭にも巻けないけど、大震災にも負けないという短めの「まけないタオル」と歌を被災地に届ける旅を続けています。数多くの涙に寄り添う中で、死んでも命は消えるものではないという思いを強くします。そして、親鸞聖人の「浄土にてかならずかならずまちまゐらせ候(そうろ)ふべし」というお言葉を紹介しています。死んだ後浄土に往き生まれて、仏さまになられた方にお会いできると説くのです。

 それを埼玉県の女性の方が読みました。彼女は今年7月に10年間連れ添ったご主人を、3か月の闘病生活後に亡くされました。心から信頼できる最愛の人との別れに、身体の半分をもっていかれたような喪失感を味わい、絶望の渕にあったのです。そんな時、やなせさんの一文に出会い、優しく背中をさすられるような安らぎを覚えたそうです。早速やなせさんにその旨を伝えるべく手紙を書きます。亡き主人と東日本大震災で亡くなられた方のご冥福を祈って下さいというご供養のお願いをするのです。

 やなせさんは、すぐに本堂で供養のお勤めをしました。しかし、そのお布施は復興支援に使っていただく方がふさわしと願われて、「徳泉寺復興はがき一文字写経」に届けて下さいました。それを受けて私は埼玉の女性の方に、写経のお勧めとご供養の想いを込めて、手紙を書きました。たまたま、その日は、亡きご主人の百か日にあたる日でした。百か日は卒哭忌ともいい、慟哭することを卒業するという意味です。完全に悲しみがなくなることはないとしても、「無常の受けとめ方にこそ人生はある」という言葉があります。辛いことですが、すべてを受け容れて、次の一歩を踏み出すスタートの日ととらえて下さいとお伝え致しました。

 ほどなく、彼女から手紙を添えて「はがき一文字写経」が送られてきました。主人への感謝の思い、そのお布施が復興支援に役立つことへの感謝を込めてとして、「感謝」という文字を写経して下さいました。手紙は「主人が生きたかった今日を生かされていることに思いを定め、いつの日か必ず浄土にて逢えることを信じています」と結んでありました。

 京都から埼玉、埼玉から奈良、奈良から宮城、宮城から埼玉と多少の日数は要したものの、遠隔の操作ならぬご縁の連鎖で、直接その想いはしっかりつながったのです。

 ここでご報告致します。10月のカンボジア・エコー募金は、119回×3円で357円でした。ありがとうございました。

 それでは又、11月21日よりお耳にかかりましょう。

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