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【第875話】 「白河越え」 2012(平成24)年4月11日-20日

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 お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第875話です。20120411.jpg

 第84回選抜高校野球大会で、青森県の光星学院は準優勝に終わりました。東北勢は春夏を通じて、優勝旗の「白河越え」に挑むこと9度。この度も悲願は達成できませんでした。優勝できれば、東日本大震災で被災した地元を勇気づけられるのにとの思いは、東北人ならずともあったはずです。しかし、勝負の世界に情けは無用、結果が全てです。

 この大会の開会式で選手宣誓をしたのは、21世紀枠で出場した宮城県の石巻工業高校の阿部主将でした。組み合わせ抽選会で大役のくじを引き当て、監督に「神懸かっている」と言わしめました。大震災の被災地のど真ん中で、練習の辛さと練習できない辛さを味わいながら、過ごしてきた1年です。選手宣誓が決まると、選手たちは、それぞれの思いをホワイトボードいっぱいに書いていきました。心の底から絶望した選手たちの思いがこもった宣誓文だったのです。

 「人は誰でも、答えのない悲しみを受け入れることは苦しくて辛いことです。しかし、日本が一つになり、その苦難を乗り越えることができれば、その先に必ず大きな幸せが待っていると信じています。
だからこそ、日本中に届けます。感動、勇気、そして笑顔を。見せましょう、日本の底力、絆を。我々高校球児ができること、それは全力で戦い抜き、最後まであきらめないことです」。被災地の選手ならではの、宣誓文は、多くの感動を呼びました。そして、誓いの通りに、他の選手たちのプレーも、真剣さが伝わってきました。

 高校野球ばかりではなく、被災地から発信されるものは、何かにつけ「被災地」という冠がつくことがあります。勿論、それはいい意味での冠です。困難な状況の中でも、こんなに頑張っているのだという、称賛にも似たものです。それに応えるかのように、「私たちの何々で被災された方を元気づけられるよう、頑張ります」などというコメントをする方もいます。先頃、ミス・ユニバースの日本代表に選ばれた仙台出身のモデル、原綾子さんも「東北から世界へという気持ちで参加した。被災地に元気と希望を送れるよう世界大会で頑張りたい」と話しています。

 被災地では、様々な支援をいただいています。しかし、勝負の世界では、被災地の人だからと、優遇されることはありません。誰であれ、勝ちは勝ち、負けは負けです。その過程において、全力を尽くす姿に、人々は感動します。勝負の世界に身を置かない被災地の一般の私たちが、そんな彼らに送る一番のエールは何でしょう。それは、まだまだ答のない困難に向いながらも、あきらめないで生きていく姿を見せることではないでしょうか。優勝旗はまだ白河を越られなくとも、津波の白波をのり越えた私たちは、大きな幸せをつかむことができると信じて・・・・。

 ここでご報告致します。3月のカンボジア・エコー募金は、246回×3円で738円でした。ありがとうございました。

 それでは又、4月21日よりお耳にかかりましょう。

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