法話 〜3分間心のティータイム〜イメージ

【第815話】 「お盆に思う子煩悩」 2010(平成22)年8月11日-20日

20100811-2.jpgお元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第815話です。

  お盆の謂われはこうです。お釈迦さまのお弟子に神通力に長けた目連という方がおりました。ある時目連は亡き母を神通力で探してみました。すると母は餓鬼道で痩せこけた姿で、喉の渇きと飢えに苦しんでいました。もはや目連の神通力でも救い出すことはできません。お釈迦さまに相談すると、雨季の間山にこもっている修行僧が、雨季が明ければ、里に下りてくるので、その時に大勢の修行僧を招き、お経を挙げていただきなさいと言われました。目連がその通りに実行すると、母を苦しみから救い出すことができました。目連の修行僧に供養した布施行と親孝行心が、日本の先祖供養と結びついて、現在のお盆に至っているといえます。

  さて、目連の母はどうして餓鬼道で苦しんでいたのでしょう。餓鬼道とは、あれもこれももっと欲しいという貪りの心の象徴的な世界を表わしています。目連の母は生前、自分勝手で他に施すことをせずに、我が子だけを可愛がったような人でした。確かにお釈迦さまの時代から、我が子だけを可愛がるなんて、決してほめられたものではありませんでした。しかし、現代では、我が子すら可愛がらない親が、日々「子ども虐待」を繰り返しています。

  福岡県の34歳になる母親は、余程きれい好きだったのか、自分の5歳になる長女を洗濯機に入れて回しました。長女は口も両手足もテープで縛られ、洗濯機に入れられました。水を入れてふたを閉めて、テープで開かないようにしてスイッチを入れたようです。それらの虐待が高じてとうとう我が子を殺害してしましました。

  大阪市の23歳の母親は余程過保護だったのか、子どもを外部と接触させないようにしました。玄関ドアに鍵をかけるだけでなく、玄関に通じる廊下のドアの縁に粘着テープを張って、部屋に閉じ込めて放置したのです。3歳の長女と1歳の長男は、約1カ月以上経って、腐敗や白骨化し一部ミイラ化した遺体となって発見されました。母親は「子どもなんかいなければいいのに」と思っていたといいます。実際子どもを置き去りにしたまま、自分は海水浴やクラブで酒を飲んだりして遊んでいたとか。曰(いわ)く、「離婚後1人で育児と仕事を抱えてストレスがたまり、現実から逃避したかった」。よその子までとは言わないまでも、せめて我が子ぐらいは、可愛がりすぎるほど可愛がって下さいと言いたいぐらいです。

 お盆は正式には「盂蘭盆(うらぼん)」といいます。インドの「ウランバーナ」という言葉の音訳です。「ウランバーナ」とは「逆さ吊りの苦しみ」という意味があります。昔は我が子だけを可愛がることを、逆しまな心と捉えました。今は我が子さえ可愛がることができない心のことを、言わなければならないのでしょうか。おにあたり、本来の「子悩」について考えてみたいものです。

 ここでご報告いたします。7月のカンボジア・エコー募金は、187回×3円で561円でした。ありがとうございました。

 それでは又、8月21日よりお耳にかかりましょう。

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