法話 〜3分間心のティータイム〜イメージ

【第813話】 「占師パウル」 2010(平成22)年7月21日-31日

20100721-2.jpg お元気ですか。3分間心のティータイム。   徳本寺テレホン法話、その第813話です。

 人間は手足合わせて4本ですが、タコの足(実際は腕に相当するそうですが)は8本もあります。人間の倍もあることにあまり疑問も感じていませんでしたが、この度8本を納得させる出来事がありました。世界中を熱狂させたサッカーのワールドカップ南アフリカ大会でのことです。

 ドイツのオーバーハウゼン水族館のタコ「パウル」は、ワールドカップに出場したドイツ代表の勝敗をことごとく的中させました。パウルは試合前に水槽内で、両国の国旗を付け、好物の貝が入った二つの箱のうちどちらを選ぶかで、勝者を予言するというのです。ドイツの初戦からの5試合を勝ちと予言し的中させました。更に、準決勝ではドイツの負けを予言しその通りになりました。

 勝利の予言をしているときは、「タコ様様」ですが、負けたとたんに熱狂的なファンはタコに怒りをぶつけました。「フライパンで揚げてしまえ」「今晩は家でタコサラダだ」「サメの水槽に入れろ」等の中傷が飛び交いました。しかし、冷静なパウルはそんなことにはめげずに、3位決定戦でのドイツの勝利と決勝でのスペインの優勝を予言し、それも当ててしまったのです。「8戦外れなし」で、いまやパウルは世界的な占師になりました。

 そう、タコには元々占いの素養があったのかもしれません。易占いを「八卦置き」というように、8種類のしるしを立てて占いますが、タコはその8本足で「八卦置き」よろしく、占っていたのではないかとさえ思いたくなります。手足合わせても4本しかない人間などは、それこそ足元にも及ばない超能力があるかもしれません。

 そして人間ほど勝手な生き物はいません。特にファンともなれば、自分の贔屓のチームの勝ちが絶対です。熱狂的になればなるほど、「勝てば官軍負ければ賊軍」的な行動に出ることもあります。負けて悔しくない人はいないでしょうが、負けた時の態度にこそ、その人の人間性が出るものです。負けた悔しさを自分の中だけで完結できない人がいます。負けを予言したからと言って、「食べてやる」などと8本足のタコに八つ当たりしても、シャレにもなりません。

 達観したタコは言うかもしれません。「人生のほんとうの勝者は、勝負に勝ったものだけではないが、負けて自分を見失う者は敗者以外の何ものでもない。負けにこだわらず、負けたことを素直に認め、また新たに歩き出そうと思い直せる、タコのように柔軟な心を持つものが最後に笑うだろう。だから私は負けることも堂々と予言する。これがほんとうの『タコ足敗戦』だ」。この言葉、耳に胼胝(たこができるほど聴いて下さい。

 ここでご案内致します。この徳本寺テレホン法話をまとめた『僧が語る印笑的な話』という本を、一冊1,500円にて好評発売中です。一冊お求めいただくと、カンボジアの子どもたちに絵本を一冊プレゼントできます。ご希望の方は、電話0223-38-0320徳本寺までお申し込み下さい。送料無料にて、お届致します。

 それでは又、8月1日よりお耳にかかりましょう。

法話のご案内 一覧