法話 〜3分間心のティータイム〜イメージ

【第770話】 「おしつけ」         2009(平成21)年5月11日-20日

お元気ですか。3分間心のティータイム。徳本寺テレホン法話、その第770話です。

 今年子どもの日を前に、総務省が発表した全人口に占める14歳までの子どもの比率は13・4%で、35年連続の減少。その総数は1714万人です。子どもの少なさを実感します。そして、子どもが少なくなっているというのに、悲しいかな、惨い事件に巻き込まれる子どもが後を絶たないということも実感せざるを得ません。

 4月初め、大阪市で4年生の女の子が行方不明になる事件がありました。捜査の結果、いずれも30代のその子の母親と内縁の夫が死体遺棄容疑で逮捕されました。「しつけのつもりでベランダに放り出していたら死んでいた」と話しています。

 一方、兵庫県ではこれまた30代の夫婦が、2年前に当時4歳だった長男の泣き声がうるさいとして、せっかんし、体をひもで縛って衣装ケースに入れて死なせてしまいました。その後遺体を自宅の冷蔵庫に入れて隠していました。先月末に母親が自首して事件が発覚しました。

 二つの事件とも、成熟した親とは思えない、身勝手な親の振る舞いです。普通ベランダには洗濯物が干されてあり、冷蔵庫には食べ物が貯えられています。親なら、子どもの洗濯物が多いほど元気な証拠と喜び、たくさん食べて大きくなるようにと願うはずです。

 「あのねママ ボクどうしてうまれてきたのか しってる? ボクね ママにあいたくて うまれてきたんだよ」。これは3歳の子の言葉だそうです。人はみんな願ってこの世に生まれてきます。『修証義(しゅしょうぎ)』というお経の中に「願生此娑婆国土(がんしょうししゃばこくど)し来たれり」とあります。誰もが自らの請願によってこの世に生れ、仏の教えに出会えるご縁を喜ぶというものです。子どもにとって、全く未知の世界であるこの世では、一番身近な母親こそ仏さまそのものでしょう。そして、何の屈託もなく、泣き笑う子どもの顔を見て、天使のようだ仏のようだと、親は忘れかけていた仏の心を思い起こすことができたはずです。

 親はこの子の親になりたいと願っていたことを忘れてはいないでしょうか。「ママはあなたに会いたくてママになったんだよ」という気持ちが大切です。親の都合だけでしつけるなら、それはおしつけになってしまします。「こどもの日」と「母の日」が同じ月にあるのは意義深いことですが・・・。

 ここでご報告いたします。4月のカンボジア・エコー募金は、212回×3円で636円でした。ありがとうございました。
それでは又、5月21日よりお耳にかかりましょう。

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